おうちでワイン
オレンジ・白・赤ワインに込められたドラマを要チェック!~プレステージ・パスポート第3回レポート
[公開日]
[最終更新日]
購入者を「特別なお客様」にしてくれるシャトー・メルシャン「プレステージ・パスポート」。ワイン頒布だけではなく、シャトー・メルシャンの3つのワイナリーで開催されるサンクスデイへの参加など、1年間を通してワインやシャトー・メルシャンへの理解を深めることができる企画です。その折り返しとなる第3弾が11月末に発送されました。
今回も送られてきたワインや内容の詳細をお届けします。
送られてきた3本のワイン
今回は、それぞれにドラマが込められたオレンジワイン、白ワイン、赤ワインの3種類のワインが送られてきました。
シャトー・メルシャン 三珠甲州グリ・ド・グリ 2020
ロゼワインのようなきれいなサーモンピンクのオレンジワイン。本来なら果汁を絞って発酵させる白ワイン用のぶどう品種ですが、赤ワインのように果皮と果汁を一緒に発酵し醸すことで、オレンジ色のワインになります。ワイン発祥の地であるジョージア(旧グルジア)が産地として有名です。これから瓶内熟成が進むにつれて、色調は落ち着いていくとのこと。
シャトー・メルシャンのオレンジワインといえば、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ 2021」で金賞を受賞した「笛吹甲州グリ・ド・グリ2019」。ジョージア以外で初めてオレンジワインとして金賞を受賞しました。
三珠甲州グリ・ド・グリは、椀子ワイナリーの小林弘憲ワイナリー長の地元でもある、山梨県の市川三郷町産の甲州で造られています。ワイン名になっている三珠地区は、旧地名だそうです。この地域はぶどうが非常に熟しやすい地域ですが、さらに熟成しやすいようにH字短梢という栽培方法で育てられています。
栽培責任者は元々美術の先生で、校長先生を務めた丹沢公彦(たんざわきみひこ)さん。定年退職後に、以前から手掛けていたぶどう栽培に本腰を入れた方だそうです。毎年、ぶどうの出来についてシャトー・メルシャンに意見を求め、より良いぶどうを目指して改善しているそうです。2019年は良いぶどうが造れなかったと悔しがっており、2020年のぶどうにはそのリベンジも込められていたのだとか。
醸しの温度にこだわり、アプリコットや甘い果実の香りを引き出した1本。樽由来のスパイシーな香りなどの複雑な香り、そして柔らかい酸とうまみを楽しめるそうです。魚にもお肉にも合わせやすいしっかりとした味わいで、おでんや鍋物にも良く合うとのこと。香りと口当たりを存分に楽しむには、1時間ほど前に冷蔵庫から出して、少し高めの温度で飲むのが良いそうです。
産地:山梨県市川三郷町三珠地区
品種:甲州100%
醸造:木桶にて24~28度で約14日間発酵
育成:オーク樽にて約7カ月熟成
シャトー・メルシャン 椀子ソーヴィニヨン・ブラン ミッドナイト・ハーベスト アンウッデッド 2020
2019年に長野県に椀子ワイナリーができたことで、畑とワイナリーが近くなり、「いろいろやってみよう!」と挑戦したワインのひとつだそうです。ミッドナイト・ハーベスト(真夜中の収穫)という名前の通り、早朝の3~4時くらいから、ヘッドライトをつけて日が昇るまで収穫。朝に収穫した野菜がおいしいように、夜中に収穫したぶどうは昼に蓄えた養分を代謝する前に収穫できるためおいしいのだそうです。冷えているという点もメリットだとか。
アルコール度数は11度と控えめ。グレープフルーツの香りがあり、サラダなどと一緒に“ごくごく飲めるワイン”だと表現されていました。発酵にも育成にも樽を使用せず、果実のポテンシャルを引き出した1本。「酸がしっかりしているので、ワインの酸味が好きな人におすすめ」とのこと。おすすめの提供温度は10度とのことなので、飲む前に冷蔵庫に1、2時間ほど入れておくと良いでしょう。グラスに注いでからスワリングして、香りを開かせてから味わってほしいとのこと。
産地:長野県上田市椀子ヴィンヤード
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
醸造:ステンレスタンクにて18度で約13日間発酵
育成:ステンレスタンクにて約6カ月間育成
シャトー・メルシャン 椀子メルロー プレジール・バレル 2017
プレジール(よろこんで!)という名前のこのワインは、ウイスキーの仕込みに使用する樽を使ったワインです。通常のワイン樽よりも2回りほど小さいのだとか。ワインを仕込んだ後には、キリンディスティラリー御殿場蒸留所でウイスキーの仕込みに使用されるそうです。
日本ワインには珍しく、アルコール度数は14.5%と高め。2017年は、収穫量は少なかったものの、糖度が高い良いぶどうが収穫できたのだとか。
バニラ、チョコレートなどの香りがきれいに出ており、あと10年ぐらいは飲み頃とのこと。デミグラスソースを使ったステーキ、香草やこしょうを使ったスパイシーな肉料理との相性が良いそうです。
産地:長野県上田市椀子ヴィンヤード
品種:メルロー100%
醸造:木桶にて25~30度で約14日間発酵
育成:オーク樽にて約13カ月熟成
Zoomセミナーには3名が登場
今回のオンラインセミナーは12月8日に開催されました。登壇されたのは、椀子ワイナリー長の小林弘憲さんと桔梗ヶ原ワイナリーの高瀬秀樹さん、そして勝沼ワイナリー長の田村隆幸さんです。
1本目のワインの解説は、勝沼ワイナリー勤務時代にこのワインを手掛けたという高瀬さん、2本目と3本目は小林さんでした。
ぶどうのつくり手のリベンジが込められた1本。ワイナリーができたからこそ挑戦できた1本。ワインのつくり手とウイスキーのつくり手がエールを送り合う1本。それぞれドラマが込められた3本が今回は送られてきました。なんとなく、ドラマチックな気分の時に飲みたいなぁ…と感じています。
【日本ワイン 最高峰】シャトー・メルシャン 笛吹甲州グリ・ド・グリ [ 白ワイン 辛口 日本 750ml ]
記事内の商品またはサービスに関する価格や消費税表記は記事公開当時のものです。
現在の価格と異なる、もしくは取り扱いが終了している可能性がありますのでご注意ください。
J.S.A.ワインエキスパート。
フロリダ州内の小売店にて日本酒の販売をしていたころに、勉強のためと手を出したワインにはまる。ワイン、日本酒、芋焼酎をこよなく愛する酔っ払い。