ワインNEWS
100年後の日本ワインを守る、「日本最大級のワイン葡萄原木園」誕生へ
[公開日]
日本ワインの未来を支える「原木園」プロジェクトが、クラウドファンディングで実現
病気に強く、安心して育てられるワイン葡萄を全国へ……
ワイン造りの根本を支えるワイン葡萄の栽培体制を強化すべく、「原木園」を設立するプロジェクトが始動しました。
このプロジェクトを主導するのは、一般社団法人 日本ワインブドウ栽培協会(JVA)。
国内のワイン関連クラウドファンディングとしては史上最大規模の3,000万円超を達成し、1000人以上からの支援が集まりました。
そもそも、なぜ「原木園」が必要なの?
ワイン生産の根っこにあたる、大事な存在が「葡萄の苗木」です。
世界的なワイン銘醸地では、ウイルスチェックがクリア済みの様々な品種の苗木が供給され、ワイン生産者は幅広い品種の安全な苗木を選ぶことができる仕組みが構築されています。
しかし、日本で育てられているワイン用葡萄の多くは、病気のリスクが高い苗木で、安心して植えられる苗が不足しているのが現状です。
加えて、昨今の激しい気候変動にも対応できる品種の育成が急務となっており、今のままでは日本ワインの未来が揺らぎかねません。
JVAが目指すのは、全国のワイナリーが「ウイルスチェック済みの苗木」を自由に選べる未来。
なんと200品種以上の葡萄苗を扱う原木園を8年かけて整備し、全国の生産者に届ける予定です。
美味しいワインが生まれる土台づくりへ
このプロジェクトは、単に栽培の効率化だけが目的ではありません。
ワインが“美味しい”と感じられる背景には、健康で多様な葡萄があってこそ。
今植えられる苗が、10年後、30年後のヴィンテージに大きく影響する――。
そんな長い視座のプロジェクトが、今、動き出しています。
ワイン初心者の方にとっても、この話は決して他人事ではありません。
「今、どんな葡萄を育てるか」が、「将来どんなワインが飲めるか」に直結するのです。
この原木園は、いわば“100年後に続く日本ワインの種まき”。
今後、より高品質で個性豊かな日本ワインを楽しめる環境が整っていくことでしょう。
土に触れ、時を重ね、実を結ぶ——そんなワインの原点に、今、希望の芽が植えられました。
このプロジェクトを支える人々の想いとともに、日本ワインの次の100年が、今ここから始まります。
次にグラスを傾けるとき、その一杯がどんな苗から生まれたか──そんな想像をしてみることも、ワインの世界へさらなる一歩を踏み出すきっかけとなるかもしれません。
2025/06/13 日本ワインブドウ栽培協会(JVA) プレスリリースより引用。
カーブ・ドッチ ”Bijou ビジュ” カベルネソーヴィニヨン 角田浜 新潟[日本ワイン][赤ワイン][冷蔵便]
記事内の商品またはサービスに関する価格や消費税表記は記事公開当時のものです。
現在の価格と異なる、もしくは取り扱いが終了している可能性がありますのでご注意ください。