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天然コルク需要が復活!理由はなんと中国
[公開日]
ワインボトルの栓、コルクだとちょっと開けるのが難しかったり面倒だったりで敬遠しがちな駄目代ですが、皆様はいかがでしょうか。
スクリューキャップは手軽ですし再度封をするのも楽でいいな~と思ってしまう無精者、それが駄目代です。
プラスチック製の合成コルクも、長期熟成に向かないなど諸々の難点があるようですが開けやすさの点では手軽で良い品と思います。
駄目代のようなタイプの人は案外多いのか、近年は天然コルクのシェアが下がっていたそうですが、意外な要因でそのシェアが復活しつつあるという大変興味深い記事が2018年4月19日の日経産業新聞に掲載されました。
天然コルクの需要を押し上げているユーザーは、なんとワイン新興国である中国。
一世代前にはワインをほとんど消費していなかった、あの中華人民共和国です。
記事では、中国の調査会社CTRマーケットリサーチが発表した調査内容が引用されていました。
『都市部のワイン愛好家のうちコルク栓が「良い」と答えた人は98.6%に達した。ワインを選ぶ際にコルク栓が使われていることを基準にする人も85%に上った。』
とあり、中国のワイン愛好家が圧倒的に天然コルク栓派であることが明らかにされています。
でも、なんで!?
確かにコルク栓にもメリットはたくさんあるけれども!そこまで圧倒的に支持する理由ってなに?
記事ではその理由にも迫っています。
『台北在住のワイン専門家でセミナー講師のシェリー・ウェン氏は「コルク栓はワインを開ける儀式をより文化的でエレガントにする。高級ライフスタイルの一環とみなされている」と話す。』
え、気分の問題??と思ったら、もっと深刻な理由もありました。
『中国でコルク栓が選ばれるもうひとつの理由は偽造ワインへの懸念だ。正式なデータはほとんどないが、中国で販売されているワインの最大6割が詰め替えられたり、ラベルが貼り替えられたりしているとみられる。』
なるほど、近年は特に有名ワインの偽造が盛んになっているそうですが、中国はその被害が非常に多い市場なのですね……。
その点をカバーしうる特性を多く備えている、というのも天然コルク需要の重要な理由になっているようです。
記事内ではさらに、ワインライターのポール・J・ホワイト氏の指摘を引用していました。
『コルクの底の染みや上下の差、側面の膨らみやカビは熟成でしか出せない。最高級ワインにはDNAによる鑑定や放射性炭素年代測定が使われる場合もあり、大半のコルクの原産地も追跡できる』
は、ハイテク……!
最高級ワインの鑑定に、そこまでの技術が必要とされているという実情にも驚かされます。
ポルトガルにおけるコルク製品製造の最大手であるアモリン社(ちなみに世界のコルク生産量の約半数がポルトガル産!)によれば、スクリューキャップワインの生産が多いオーストラリアなどでも、中国向け商品は8割がコルク栓になっているのだそうです。
……ニューワールドの若いワインでもそうなってるってことは、高級ワインの偽造対策だけでなく、単にやっぱり好みの問題なのでは……?
そんな疑問に答えるように、記事は前述のホワイト氏の分析で締められていました。
『中国人がコルクを好むもうひとつの理由は伝統を重んじるからだ。見過ごされがちだが、何世紀も機能してきたモノにはやはり尊重すべき点がある』
やっぱりーーー!
やっぱり”気分”だった!
必要に迫られて、というよりも「なんとなく」的な問題だった!
世界のワイン栓シェアが一国の「なんとなく」でひっくり返るって話だった!
一国と言っても大国ですけどね!中国SUGEEEEって話ですね!
意外な角度から急上昇している天然コルクのシェアの内情に驚かされる記事ですが、大切なポイントにも気づかせていただきました。
中国へのワインのお土産は、天然コルク栓のボトルを選ぶべし。
人生のどこかで役に立つかもしれません。
ちなみに、駄目代の人生で役に立つ時がくるかどうかは不明です。
(『』内は2018/04/19 日経産業新聞より引用)
電動ワインオープナー 充電式 フォイルカッター付き 真空ボトルストッパー 搭載 コルクスクリュー 栓抜き ワインコルク抜き
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