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メルシャン、マスカット・ベーリーAの香りを解明
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ワイン販売の大手、メルシャン株式会社(東京都・中野区)は、ワインの原料として使用されるマスカット・ベーリーA(以下、MBA)の香りのメカニズムを解明した。
香りが発生する条件や成熟期間に応じた成分量の推移などを分析し、収穫期や醸造方法の研究に応用。
ワインの生産技術や品質管理に研究結果を活用し、商品の開発および改良に活かす。
ワイン市場では、日本産の葡萄100%で作られた「日本ワイン」の人気が高まっている。
メルシャンのブランド「シャトー・メルシャン」の2014年の販売量は、前年比12%増にもなった。
MBAは日本で最も多くワインに使用されている黒葡萄の品種。
同社でも、「穂坂マスカット・ベーリーA」(720ml 3,000円程度)など約10品目で原料に採用している。
MBAの香り成分は、苺やパイナップル、トマトに含まれる「フラネオール」が豊富で、キャンディや苺を思わせる柔らかな甘い香りが特徴。
これまでの研究で、葡萄果汁を発酵させると、フラネオールの含有量が増加することが判明している。
今回の研究では、果汁に含まれるフラネオールは「フラネオール配糖体」という糖の一種から生成されていることを特定した。
さらに、果実の成熟期間に応じたフラネオールやフラネオール配糖体それぞれの含有量の変化を調査し、成熟までに10週目前後が非常に増加することも判明。
同社でMBAの最適な収穫時期を設定するほか、果汁の発酵に際して加熱処理することでフラネオールを増加させる関連技術も分析が進んでいる。
これらの成分研究により、商品力の底上げを狙う。
シャトー・メルシャンは、2015年の販売量を前年比15%増の30,000ケース(720ml 12本/1ケース換算)を目標に掲げている。
2015/3/25 日経産業新聞より引用。
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[マスカット・ベーリーAのワイン]https://wine-no-kanpe.com/contents/winedata/breed/muscatbaileya/
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ヨーロッパ系のワイン用葡萄の栽培が難しい日本において、大変な苦労の末に育出され、現在は主に山梨県で栽培されています。
マスカット・ベーリーAから作られたワインは、渋味が少なく、酸味は控えめでキャンディのような甘い香りとフルーティーさで、初心者でも楽しめるものになることが多いです。ワイン専用ではなくそのまま食べても美味しい品種ならではの、全体的に優しい味わいが特徴。
今回のニュースは以前の記事「日本産ワインのブランド強化で自民新法検討」にも関連した部分がありますが、日本ワインが世界で評価が高まっているというのは、嬉しいですね!
個人的には、国産ワインは防腐剤無添加で悪酔いせずにすむものが増えている印象があるので、もっと国産ワインが市場に増えてほしいな~と思います。