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ワイン用葡萄農地が温暖化で大幅減!?品種変更も視野に
[公開日]
ワイン用葡萄の主要品種11種の栽培地が減少するとの予測を国際研究チームが発表
ワイン用葡萄品種のうち主要11品種の栽培が、地球温暖化の影響を受けて大幅に減少するという予測が発表されました。
カナダのブリティッシュコロンビア大などの国際研究チームは、ワイン用ブドウの主要な11品種について、世界の栽培に適した農地が地球温暖化で大幅に減少するとの予測を発表した。伝統的に栽培してきた品種から高温に強い品種に切り替えれば、ダメージをかなり抑えられるという。論文は28日以降に米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
日本経済新聞 2020年1月28日刊『ワイン用ブドウ「品種の変更を」』より引用
かねてより、温暖化によりシャンパーニュ地方でのシャンパン生産が危ぶまれているという情報は広く知られていました。
今後はさらに、ピノ・ノワールなど伝統的な葡萄品種を栽培可能な農地が減少するおそれが発表されています。
記事内では、栽培する品種の変更や栽培地の変更といった案が挙げられていますが、もともと高温に強い品種を栽培しているイタリアやスペインでは品種の切り替えも難しく、葡萄の栽培面積自体が大幅に減少することが予測されています。
さらに、栽培する品種や地域の変更で農地の減少を抑えることは可能ではあるものの、フランスなどの伝統的なワインが今後は生産が難しくなっていくことが予想されます。
温暖化の影響で、今あるワインの価値が高騰するかもしれない!?
ヨーロッパの伝統的なワイン生産地で定められているA.O.Cなど原産地呼称は、ワインの品質を保証するために定められている制度ですが、これには、ワインに用いられる葡萄品種の種類と割合、栽培地、アルコール度数といった厳格な規制があり、名高いボルドー5大シャトーワインなどもこうした規制に則って生産されています。
つまり、ボルドー地方で栽培されているカベルネ・ソーヴィニヨン種をムール・ヴェードル種に切り替えた場合、従来のシャトー・ラフィット・ロートシルトは生産できなくなるといった懸念があります。
こうした現状を受けて、ワインの原産地呼称を見直す動きも予想されますが、生産されるワインの味わいも変化することは避けられないでしょう。
このため、伝統的な製法に則って造られているA.O.Cワインなどが非常に希少なものとなっていくことが予想され、今まで以上にヴィンテージワインの価値が高騰していく可能性があります。
サスティナブルなワイン生産に向け、ビオワインが流行
2015年9月の国連サミットにてSDGs(エス・ディー・ジーズ)と呼ばれる「Sustainable Development Goals」が採択されて以来、世界の企業に”持続可能性”という観点での経済活動を目指す動きが強まっています。
SDGsには温暖化対策を含む環境維持も目標として含まれており、サスティナブルなワイン造りに取り組むワイン生産者も増加しています。
また、ワイン愛好者の中でも、環境に配慮して生産されるビオワインが流行しており、ワインの世界にもSDGsの概念が浸透しつつあると言えそうです。
伝統的なワインを守るためにも、ひとりひとりが環境について考え、行動していく必要があるのではないでしょうか。
さらに、「みんなのワイン」は、今まで楽しんできた伝統的なワインへも、ますますの敬意をもって味わうように心がけたいと思います。
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