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ワイン用葡萄栽培の市場を視野に-接ぎ木テープ『ニューメデール』

[公開日] 2020年04月02日
[最終更新日] 2024年04月22日

ワイン用葡萄栽培の市場を視野に-接ぎ木テープ『ニューメデール』

50カ国以上へ輸出される接ぎ木テープ『ニューメデール』
接ぎ木が一般的なワイン用葡萄栽培での需要も見込む

ワイン用の葡萄は、ほとんどの苗樹が接ぎ木されて栽培されていることをご存知でしょうか。

これは、その昔に起きた「フィロキセラ禍」と呼ばれるワイン用葡萄の虫害への対策として今に受け継がれている技術。
19世紀、ワイン用葡萄の樹木の根に寄生するフィロキセラという害虫が世界各国に広まり、各地のワイン畑が深刻なダメージを負うという出来事がありました。
その際に、北米原産のリパリア種などにはフィロキセラに耐性があることが発見され、根の部分に北米原産種を用いた接ぎ木での栽培が一般的に行われるようになり、現在も続けられています。

ワイン用葡萄の接ぎ木には、接いだ部分の補強に溶かした蝋が用いられることが多いのが現状ですが、蝋は安価な資材ではある一方、使用には熱で溶かす必要もあり、温度管理など作業工程が多いというデメリットも。
農業資材メーカーの株式会社アグリス(以下、アグリス)は、ワイン用葡萄の栽培農家に、蝋のデメリットを解消する「接ぎ木テープ」の新たな需要があると考えています。

ワイン用葡萄の接ぎ木作業を効率化する「ニューメデール」

イチゴの栽培システムや剪定用品など様々な農業用資材を手掛けるアグリスが開発した「ニューメデール」は、接ぎ部分に巻きつけて使用する接ぎ木テープ。(海外向けの製品名は「Buddy Tape」。)
見た目はメンディングテープのような半透明で、細菌の侵入や水の蒸発を防ぎつつ、空気を通過させることで植物の呼吸を守るだけでなく、巻きつけた後に自然に劣化するため、テープを取り外す必要もないのが特長の製品です。

ニューメデール
引用:株式会社アグリス 「ニューメデール」商品ページ

テープの巻き付けは非常に簡単で、まさにセロテープのように扱うことができるという手軽さが、接ぎ木作業における安全性と迅速性の向上に役立つことは間違いありません。

葡萄の苗木に使うための研究も進められており、国内では東京都の玉川大学をはじめ、ワイナリー向け葡萄苗木生産現場である長野県、さらに、葡萄の苗木生産は無理とまで言われていた北海道にて、接ぎ木テープを用いた試験が行われています。
岩見沢市栗沢町で「ニューメデール」を用いた例では、実際に高い活着率(接ぎ木の成功率)の結果が得られています。
葡萄の接木成功率は、高いところで6割程度と言われている一方、「ニューメデール」を用いた方法では、ブラジルの農園にて8割~9割の成功率を得た例も報告されているそうです。
2020年4月からは、より本格的な苗木生産に向けた実地試験を行う予定となっており、北海道での葡萄苗木生産の本格化に向けて、大きな期待が寄せられています。

ワイン用葡萄栽培の市場を視野に-接ぎ木テープ『ニューメデール』
写真左:従来の蝋接ぎ、写真右:BuddyTapeを使用した接木

「ニューメデール」をはじめとしたアグリスの接ぎ木テープは、アジアを中心とした海外での販売が8割以上を占めているというのも注目すべき点。
海外で一般的に用いられる接ぎ木用資材と比較すると価格面では不利である反面、性能の高さが評価され、引き合いが増えているそうです。
輸出先の気候や農法に合わせ、テープの仕様や販売方法の最適化にも取り組むなど、製品の性能を最大限に発揮できるよう改善を加えている点も人気の理由。

Buddy Tape
引用:株式会社アグリス 「Buddy Tape(ニューメデール)」商品ページ

ワイン用葡萄は栽培面積が広く、接ぎ木が必要な本数も多いため、作業の効率化による恩恵も大きいと予測され、「ニューメデール」にとって大きな市場となり得ることが期待されています。

日本ワインを救う!?活着率の向上も期待

日本国内のワイン業界では、近年、需要に対し供給が不足してきています。
その原因のひとつが、葡萄の苗木不足。

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実は、ワイン用葡萄の接ぎ木における活着率は約5~6割と一般的に言われており、せっかく接ぎ木しても、実を結ぶことなく枯れてしまうことも多いのが実情です。
苗木そのものが不足している中、国産ワインの生産量増加に向けて、活着率を向上させることも課題のひとつと言えます。

前述の通り、「ニューメデール」は、水分の蒸発や細菌の侵入を防ぎつつ植物の呼吸に必要な空気を通過させる性能があり、従来の方法と比較し活着率も高くなっているという研究データが得られています。
「ニューメデール」が、今後の日本ワインを救う存在にもなるかも!?

ワイン造りにおいて、醸造家や葡萄栽培農家といった人々が関わっていることは広く知られていますが、その他にもこうした様々な分野のプロフェッショナルが開発した技術が、私たちの知らない部分を支えていると思うと、1本のワインがますます貴重な結晶に思えますね。

[協力] 株式会社アグリス

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この記事を書いたメンバー

葡萄院駄目代

ワインを飲むと大変なことになるので避けて生きてきたが、最近ワイン下戸を克服中。 たまに「やっぱダメだった」と泣きながらトイレにこもる羽目に陥っている。 好きなワインのタイプ ミディアムボディ、スッキリ系の赤ワイン。 イタリアのキャンティのような、飲みごたえがありつつも重すぎないタイプも好き。 白ならドイツワイン系。 スパークリングワインなら、爽やかな甘味のあるタイプが好き。

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