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中国がフランスを抜く――ワイン用葡萄栽培面積
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国際ブドウ・ワイン機構(OIV)が2015年4月27日に発表したところによると、ワイン用葡萄栽培地面積において、中国がフランスを抜き、世界第二位のワイン用葡萄栽培国となったことが明らかになった。
第一位は102万ヘクタールの栽培地面積を持つスペイン。
中国は79万9000ヘクタール、フランスは79万2000ヘクタールだった。
ヨーロッパでは現在、ワイン用葡萄の栽培を減少させている動きがあり、フランスもまた前年比約0.1%減であった。
一方、中国は5%増加しており、これが世界第二位に躍り出た要因と考えられる。
ワインの生産量に関しては、フランスが47億リットルで世界第一位をキープ。
さらに、同国はワイン輸出で77億ユーロ(約9,980億円)以上の収益を上げ、輸出額でも首位となった。
OIVによると、2000年以降の中国では、国内ワイン消費が約45%増加し葡萄畑の面積は2倍余りに拡大している。
世界の葡萄栽培面積に占める中国の割合は2000年初めの3.9%から11%ほどまでに拡大した(この統計にはワイン用だけでなく、生食用やレーズン用の葡萄も含まれる)。
OIVのジャンマリー・オーラン事務局長は2015年4月27日、パリで開かれた記者団との会合で「中国は赤ワインの世界最大の消費国だ。人口の大部分がワインにアクセスできる生活水準に達している」と述べた。
また、オーラン事務局長によれば、葡萄の樹木が十分に収穫可能な状態になるまでには5年はかかるため、中国の葡萄畑の大部分では、生産はまだ始まっていない状態。中国は栽培用に、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどの赤ワイン用葡萄品種も輸入しているが、葡萄の将来的な用途については不明であるとのこと。
【ブルームバーグ Rudy Ruitenberg】
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ワインの消費量が急成長している中国ですが、生産面でも伸びてきていますね。
ヨーロッパでは、葡萄の品質や生産の効率性を向上させることを目的として、ワイン用の葡萄栽培は規模を縮小しているという傾向があるようです。
1本の樹木から収穫する量をあえて減少させて葡萄の実の品質を高めたり、古木と言われる樹木から収穫した実で作るワインなど、量よりも質で勝負していく構えのワイナリーが増えているように感じます。
化学肥料や殺虫剤を使用せずに栽培した葡萄で作られるオーガニックワインも人気が高まっていますし、ブランディングを狙うヨーロッパ勢と、生産量増加を狙う中国とで今後の市場が大きく変わる可能性がありますね。
しかし日本での中国の印象は、正直食べ物の生産に関しては懐疑的な面もありますよね…………。
前述のオーガニックワインの真逆なんじゃないかとか、アレとかソレとかいろいろ大丈夫なんだろうか的な……。いや、偏見なのかもしれませんけども。
中国が自国のワインを世界へ売り込む際には、そうした偏見を払拭することも含めたブランディングが必要かもしれませんねー。
個人的には「葡萄の将来的な用途については不明」という一文がツボりました。「不明」て。