ワインNEWS
ボルドーワイン2020ヴィンテージ速報!「困難に打ち勝った歴史に残るヴィンテージ」
[公開日]
ボルドーワイン委員会からボルドーワイン2020ヴィンテージ速報発表!
収量はやや控えめながらも傑出した品質が期待できる「困難に打ち勝った歴史に残るヴィンテージ」
フランス・ボルドーに本部を置くボルドーワイン委員会(CIVB)より、ボルドーワインの2020年ヴィンテージに関する速報が発表されました。
ボルドーワイン委員会のレポートでは、2020年は、新型コロナウィルス禍のもと、局地的・一時的にはさまざまな天候被害が発生して収量が下がるなど、様々な困難が生じた葡萄生育期間であったことを報じています。
しかし、不幸中の幸いにも、天候被害が生じた時期が、葡萄の生育にとって重要な時期をはずしていたり、一部のアペラシオンにのみ限定された状況であったことにより、結果的には総じて十分な成熟度かつ健全で優れた果実が収穫できた模様です。
葡萄が色づく期間の水分量が少ないこともグレートヴィンテージに必要な条件とされていますが、この点でも2020年は6月末から8月上旬までの間にほとんど雨が降らず、乾燥した状態がキープされました。
7~9月にかけての平均気温が平年を上回り、日照量や昼夜の寒暖差に恵まれたことも、葡萄の成熟に良い影響をもたらしました。
カビ病による被害もないまま、9月末にはほとんどの品種の収穫を終えたとのことです。
2020年の黒葡萄の大きな特徴は、品種を問わず、果皮が厚めになった点が挙げられます。
濃厚な色とたくましい渋みを備えた、力強い赤ワインが期待できるそうです。
また、赤白ともに、アルコールと酸のバランスが整っているという特長も見られます。
葡萄の品質面では好材料がそろっている一方、収穫量の面では過去10年の平均値(約500万ヘクトリットル)をわずかに下回るということが予想されています。
一部、5~6月中に降り続いた雨によってベト病被害が生じ、病害が出た房を間引いたことに加え、7月の極端な乾燥や8月末~9月前半にかけての気温上昇によって果粒が小粒になったことが原因ですが、こうした形での収量減は果実の品質にはプラスの要素と考えられるため、出来上がるワインの味わいに良い影響となることが期待されています。
2020年において大きな問題となった新型コロナウィルス禍の影響に関しては、マスク着用のもとソーシャルディスタンスを保った収穫作業など平年とは異なる対策が求められたものの、比較的落ち着いた環境で順調に作業が進んだようです。
フランス全土での外出制限が発令された時期も、畑での農作業は必須の営みであるとして例外的に許可されていました。
3月末にはロックダウンで仕事を制限されている人々に対してギヨーム農相が「農作業を手伝おう」という応援メッセージを送るなど、栽培醸造家が勇気づけられる出来事もあったとのこと。
ボルドーワイン委員会からは、2020年ヴィンテージに関して、以下のようなコメントが発表されています。
難敵に対して果敢に立ち向かい、勝利を収めた2020年が、この由緒ある産地の長い歴史に刻まれる、忘れえぬヴィンテージになったことは疑いありません。
ボルドーワイン 2020 早わかり
●豊かな色調とタンニンに加え、アルコールと酸のバランスがすばらしく、期待が高まる仕上がり。
●予想生産量は過去10年の平均値を若干下回る。
●暖冬のあとの春には、遅霜、雹・あられ、大雨などで局地的な被害が発生。
●夏は酷暑で、収穫がピークを迎えた9月前半は完璧な好天。
●葡萄生育期間は、平年比で約15日早く推移。
●早めの収穫(8月中旬から9月末)。
各月の天候推移と生育状況
(参考データ:フランス気象局ボルドー・メリニャック支部)
●3月
非常に雨が多かったものの、気温および日照量は平年並。月末に2度、遅霜に襲われた地区があったものの、ボルドー地方全体で見れば被害は限定的だった。
暖冬の影響で、3月末にはすでに芽吹きが見られたが、これは平年より2週間早い。
●4月
とても温暖な月(最低平均気温が1920年以降で最も高かった)。月半ばから末にかけて降雨が集中し、
17日には雹・あられを伴う激しい雷雨が、アントル・ドゥー・メール、フラン・コート・ド・ボルドー、サンテミリオン周辺およびソーテルヌの各地区を襲った。
ただし、被害は限定的な範囲で収まっている。
●5月
トータルでは日照量が多く非常に温暖な月だったが、前半13日間の降雨は非常に多かった。
一部地域では大雨のため、畑に浸水が見られるほどであった。
ベト病の被害が見られはじめたものの、5月20日前後からの開花の時期には、雨が止み好天が続いた。
●6月
前半は雨模様で日照も少なかったが、その後は気温の高く乾燥した気象になり、新梢と房の成長が促進されている。
●7月
雨がほとんど降らなかった月。
温度も高く、6月末から8月上旬までの間に、最高気温25℃以上の夏日が24日、30℃以上の真夏日が12日観測されている。
7月中旬から色付きが始まり、20日以降に本格化したが、豊富極まりない日照、高い気温と適度な水分ストレスが品質には幸いした。
●8月
平均気温はまたもや平年値を上回る。
8月初旬に色付きがが完了。
時折やってきた酷暑によって、一部の若木はやや過度の水分ストレスを被ったが、8月中旬の雨でそれも解消された。8月15日を目前に、クレマン用の葡萄と、白葡萄の収穫が開始。
下旬にはロゼワイン用の黒葡萄の収穫が始まる。
●9月
18日までは雨がまったく降らなかった。
豊富な日照量に恵まれたうえ、昼夜の寒暖差もしっかりとあったため、アントシアニン色素、タンニンといった葡萄のフェノール成分が美しく成熟し、アロマの生成にもうまく進んだ。
カラリとした気温の高い日が続いてくれたおかげで、区画ごとに最適な成熟水準になるのを待って、摘みとりを行うことが可能であった。
赤ワイン用の品種では、早熟のメルロが9月5日頃に摘みとり開始、カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンは14日頃から始まっている。
19日以降は雨が続いたが、28日から3日間は好天で、大半の生産者が月末までに収穫を終えた。
2020/10/29 ボルドーワイン委員会 プレスリリースより引用。
ボルドー赤ワイン セット 全て金賞受賞 美味しい赤ワイン 飲み比べ 6本セットフランスから直輸入 京橋ワイン
記事内の商品またはサービスに関する価格や消費税表記は記事公開当時のものです。
現在の価格と異なる、もしくは取り扱いが終了している可能性がありますのでご注意ください。