おでかけワイン
【行ってみた】テロワールを体感!半日で行く塩山ワイナリー巡り~奥野田ワイナリー&甲斐ワイナリー
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11月中旬、ふと思い立って山梨県甲州市の塩山駅に降り立ちました。昼食とワイナリー巡りを目的とした半日の旅です。
現在はコロナ禍ということもあり、見学や試飲を中止しているワイナリーが多い中、下調べもなく行ってみたのですが、ありがたいことにしっかりと半日のワイナリー巡りを堪能してきました!
ワイン観光地塩山とは
日本ワインの銘醸地といえば、勝沼を思い浮かべる方も多いかと思いますが、塩山(えんざん)も、勝沼と同じ甲州市にある地域です。甲府盆地の北東に位置し、笛吹川と重川に挟まれた地域を中心にワイン造りが行われています。
夏は日本一を記録するほどの猛暑になる日も多いとのこと。私が訪れた11月は、日中は暑いとすら感じていたのに、日が傾くととたんに寒くなり、美味しいワイン用ぶどうができる条件である「1日の寒暖差が大きい」地域なのだと実感できました。
塩山エリアと呼ばれる地域にあるワイナリーは全部で8つ。コロナ禍でなければ、そのうちの6カ所(要予約なども含む)で見学を実施しており、全てのワイナリーで試飲(有料も含む)ができるとのことです。
観光センターで情報収集
JR塩山駅の改札を出ると、すぐ右手にあるのがキオスクに併設された観光センターです。そこのお姉さんに、今見学ができるワイナリーについて聞いてみることに。すると、11月19日時点で見学や試飲を提供しているワイナリーは2つあるとのこと。
紹介していただいたのは、電話で予約が必要な「奥野田ワイナリー」とワインカフェを併設している「甲斐ワイナリー」。さらに昼食を食べるのに、「甲州ほうとう完熟屋」を紹介してもらいました。
早速、奥野田ワイナリーに予約。1名だったので見学は無理でしたが、試飲だけでも受け付けてくれました。そして、駅から徒歩8分の完熟屋へ出発です。
甲州ほうとう完熟屋は、古民家を利用したお店です。この地域らしく、グラスワインと一緒にほうとうを楽しめます。私が頼んだ白のグラスワインは塩山にある牛奥第一葡萄酒の甲州。市場には出回っていないという貴重なワインを楽しめました。
ほうとうでおなか一杯になった後、奥野田ワイナリーへ出発です。タクシー移動をすすめられましたが、この旅では「テロワールを歩く」ことを目的に、徒歩で移動します
奥野田ワイナリーで4種類を試飲
完熟屋から奥野田ワイナリーまでは、徒歩で20分ちょっと。自宅から最寄り駅ぐらいの距離なので、正直余裕だと思っていたのですが、かなりアップダウンがある道なため、20分ちょっとでもだいぶ疲れました。
しかし、気持ちがいい晴天の中、景色を見ながらの移動は、気持ちの良いものでした。関東ローム層出身の人間としては、視線を上げると山が見えるという光景は新鮮です。
20分ちょっと歩いて到着した奥野田ワイナリーは、モダンな印象の建物でした。
奥野田ワイナリーは正式名称が奥野田葡萄酒醸造株式会社。1.5ヘクタールの自社農園でブドウを栽培し、テロワールを生かしたワインづくりをしているワイナリーです。年に5回、畑仕事を通して栽培やワインを学べる奥野田ヴィンヤードクラブを行っており、「交流農業」にも力を入れています。
テイスティングは2階のログハウスで。屋上から気持ちの良い風景も楽しめました。
500円のプレミアムテイスティングでは、日によって提供しているワインが違うとのことです。私が訪れた日は以下の4種類が味わえました。
●2020 ハナミズキ・ブラン
甲州100%の華やかな香りのワインです。暑くて気持ちの良いこの日にぴったりのワインでした。オレンジワイン(除梗後に皮と一緒にマセラシオンをしたワイン)です。今まで味わったオレンジワインの中で、最もクリーンな味わいだと感じられました。
●2017 桜沢シャルドネ
夏の暑さによる成熟を感じられるシャルドネでした。シャルドネは手がかかる品種だとのこと。澱と共に熟成させるシュール・リーは、日本では甲州でよく行われていますが、このシャルドネでも行われています。手をかけて育てたぶどうを、こだわりの樽を使い、手をかけて醸造。このワインを「私たちの理想を積み重ねて出来上がった自信作」と表現するのも納得でした。
●2018 スミレ・ルージュ キュベ・エルヴァージュ
スタッフさん曰く、「手がかからない」というメルローです。ニュージーランドのピノ・ノワールを感じさせるスパイシーさと果実味のある1本。このスミレのラベルは、ワインから「女性らしい優しい雰囲気をイメージ」したとのことですが、1本芯の通った強さも感じられて好印象でした。
●2021 奥野田ドルチェ~このゆびとまれ~
デラウエアを100%使用した、今年の新酒です。ほんのりと蜂蜜のような甘さと果実感が感じられる、アルコール度数8.5%の甘口ワイン。チゲ鍋などの辛い食事にも合いそうなワインでした。
奥野田ワイナリーは1989年からワインづくりをしているワイナリーですが、現在もぶどう栽培やワイン醸造に新しい挑戦をしています。テロワールと品種の可能性を追い求める手段として、樽や醸造技術を極めようとしているのだと感じられました。
ここでテイスティングしたワインは全てオンラインショップで購入可能とのこと。ワイナリーで買えば送料はかからないのですが、徒歩&電車移動ではワインに負担をかけてしまうため、購入は見送りました。
甲斐ワイナリーではゆっくりテイスティング
続いて向かったのは甲斐ワイナリーです。こちらも徒歩20分ほどの道のりですが、5分ほどで大通りに出た後は平坦な道だったこともあり、あっという間に到着しました。
甲斐ワイナリーは古くから清酒を醸造していた酒蔵。建物は、国指定有形文化財に指定されています。こちらでは醸造施設の見学(無料)に参加。予約をしていれば、ワイン貯蔵庫として使われている土蔵造りの建物に入れたそうです。私が行った時にはありませんでしたが、ホームページによると現在は無料試飲もあるとのこと。
併設されているワインカフェ古壷は、江戸期の土蔵を甦らせた築200年の建物だそうです。
こちらで自社畑白赤ワイン各2種のテイスティングセット(1530円)をオーダー。フードも充実していたのですが、まだお昼のほうとうでお腹がいっぱいだったので見送りました。
テイスティングセットの内容は以下の通りです。
●かざま甲州やや甘口 2021年新酒
●かざま甲州辛口 2020
●かざま赤葡萄酒
●キュベかざまメルロー 2018
2021年新酒は年内の限定販売とのこと。やや甘口ということもあり、すっと入ってくるきれいなワインでした。
この日は平日だったこともあり、お客さんの姿もなく、落ち着いた店内で気が付けば1時間ほどゆっくりしてしまいました。外に出ると空気はひんやりとしており、ぶどう栽培地の寒暖の差を体感。半日(約4時間)の塩山滞在でしたが、有意義な時間となりました。
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J.S.A.ワインエキスパート。
フロリダ州内の小売店にて日本酒の販売をしていたころに、勉強のためと手を出したワインにはまる。ワイン、日本酒、芋焼酎をこよなく愛する酔っ払い。