おうちでワイン
メルシャンの挑戦が伺える3本のワインを要チェック!~プレステージ・パスポート第4回レポート
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購入者を「特別なお客様」にしてくれるシャトー・メルシャン「プレステージ・パスポート」。ワイン頒布だけではなく、シャトー・メルシャンの3つのワイナリーで開催されるサンクスデイへの参加など、1年間を通してワインやシャトー・メルシャンへの理解を深めることができる企画です。その最終回となる第4弾が2月末に発送されました。
今回も、送られてきたワインや内容の詳細をお届けします。
送られてきた3本のワイン
今回送られてきたのは、シャトー・メルシャンの挑戦が伺える3本でした。【ワインメモ】のテイスティングやペアリングの情報は、セミナーや同封資料に書かれていた内容をまとめたものです。
北信右岸シャルドネ リヴァリス 2019
ラテン語で川を意味するリヴァリス。「北信右岸シャルドネ リヴァリス」は、千曲川の右岸のシャルドネ100%で造られています。左岸の「北信左岸シャルドネ」と共に、シャトー・メルシャンの最高峰の白ワインひとつです。キリンのオンラインショップでは税込みで7200円のワインなので、このワインが入っているだけでかなりのお得感があります。
右岸と左岸では土壌が異なり、タイプは違うけれど質の高いぶどうができるそうです。2016年に開催されたG7伊勢志摩サミットでは、右岸と左岸のぶどうを使った「シャトー・メルシャン 北信シャルドネ 2014」が提供されましたが、2015年からは右岸と左岸に分けてリリースされています。右岸は標高の高い高山村と、比較的低い須坂市にまたがる扇状地で造られているそうです。
産地:長野県北信右岸地区
品種:シャルドネ100%
醸造:オーク樽にて19~21度で約14日間発酵
育成:オーク樽にて約6ヵ月 新樽比率23%
【ワインメモ】
パイナップル、グレープフルーツなどの黄色い果実、マンゴーなどのトロピカルフルーツ、ヴァニラやアーモンド、トーストなどの樽由来の香りが柔らかく調和。心地よい酸と豊かな果実感が口の中に広がり、長い余韻にミネラルのニュアンスを感じる味わいです。
通常は5年ほどで飲み頃を迎えますが、3年目でも今までになく華やかなフルーツの香りが感じられており、飲み頃が比較的早いヴィンテージだと見込まれるとのこと。
白身魚のムニエルや地鶏とキノコのホワイトソースなどとよく合います。
新鶴アルバリーニョ 2020
2018年の製品化から3回目のリリースとなりました。プレステージ・パスポートでは毎回入っているため、毎年申し込んでいる人にはおなじみのワインだそうです。
福島県会津三里町の新鶴地区で造られている、スペインのガリシア地方の主要品種であるアルバリーニョを使っています。“新しい場所”“新しい品種”で、毎年試行錯誤しながらワインづくりをしているとのこと。年に1回は生産者さんと交流の機会を設けており、先日もぶどうの樹を覆うほどの雪が積もる中、生産者さんに会いに行ったそうです。
2020年は梅雨明けから真夏日が続き、収穫まで雨が少なかったため、ワインにとってとても良い年に。今まではアルバリーニョ100%で造られていましたが、このヴィンテージでは同じ地区のシャルドネをごく少量ブレンド。香りには影響を与えませんが、味わいにはぐっと奥行きが出たそうです。
産地:福島県会津三里町新鶴地区
品種:アルバリーニョ92%、シャルドネ8%
醸造:ステンレスタンクにて18度で約14日間発酵
育成:ステンレスタンクにて約7ヵ月
【ワインメモ】
レモンやオレンジなどの複雑な柑橘の香りが感じられる豊かな香りです。アルコールと酸のバランスが良く、しっかりした酸が骨格を支え、長い余韻が続きます。
生牡蠣のレモン添え、アサリのワイン蒸し、鴨のローストオレンジソースなど、柑橘を添えた滋味豊かな味わいと相性が良いワインです。
鴨居寺シラー 樽選抜 2019
鴨居寺ヴィンヤードは、山梨市内にあるシャトー・メルシャンの自社畑です。シラーは2015年に植えられました。砂利が多く、水はけのよい土壌で栽培されたぶどうを使ったワインの中でも、特にバランスの良い樽を選んだワインです。
2019年は、台風が多く、収穫時期を決めるのに苦労したそうです。少しでも熟したぶどうを収穫するため、少し伸ばして10月初旬に収穫。熟していてバランスの良いぶどうが収穫できた。
シラーはその土地の特徴が出やすい品種とのこと。長野県の椀子ヴィンヤードのぶどうを使った「椀子シラー」もありますが、椀子ワイナリー長の小林弘憲さんによると、寒い椀子ではスパイス感が出ており、比較的暖かい鴨居寺では果実感が出ているそうです。「椀子シラー」は、マスター・オブ・ワインの方から、「椀子にしか出せないシラー」と言われていることが説明され唯一無二のシラーであることが強調されたので、思わず飲み比べがしたくなりました。
産地:山梨県山梨市鴨居寺ヴィンヤード
品種:シラー100%
醸造:ステンレスタンクにて28度で約14日間発酵
育成:オーク樽にて約14ヵ月
【ワインメモ】
凝縮感のあるぶどうが収穫され、アメリカンチェリーなどの黒系果実がジャムになったような、良く熟した果実の香りと胡椒を連想させるスパイスの香りが程よくなじんでいます。ふくよかでしっかりとした味わいのワイン。
Tボーンステーキ(黒コショウで)、ビーフシチュー、米ナスの田楽などのしっかりとした味わいの料理がおすすめ。当時は勝沼ワイナリーにいたというワインメーカーの高瀬秀樹さんは、「食事と合わせるのはもちろん、寒い冬に温かいストーブに当たりながらじっくり飲むのもおすすめ」と話されていました。
最終回のセミナーはワインメーカーが勢ぞろい
今回のオンラインセミナーは3月2日に開催されました。登壇されたのは、勝沼ワイナリー長の田村隆幸さんと桔梗ヶ原ワイナリーの高瀬秀樹さん、さらに、椀子ワイナリー長の小林弘憲さん、ゼネラルマネジャーの安蔵さんも登場。ワインメーカーとゼネラルマネジャーが顔をそろえる、最終回らしいセミナーとなりました。
本来であればワイナリーに行かないと味わえないワインを自宅で楽しめたり、片丘ヴィンヤードのファーストヴィンテージを味わえたりしたことで、コロナ禍でのワインライフが充実しました。
10月には塩尻にある桔梗ヶ原ワイナリーで開催された、プレステージ・パスポートのメンバー向けのイベント「サンクスデイ」に参加して造り手の方とお話しする機会も。勝沼のワイナリーで一般のツアーに参加したこともありましたが、ワインの1本1本と向き合い、知識を得ることでシャトー・メルシャンがぐっと身近になり、さらに深い愛着を感じられるようになりました。
自宅で特別なワインを味わいたい方、シャトー・メルシャンが気になっている方、箱推しできるワイナリーを探している方は、ぜひ次回のプレステージ・パスポートに参加されてはいかがでしょうか。
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J.S.A.ワインエキスパート。
フロリダ州内の小売店にて日本酒の販売をしていたころに、勉強のためと手を出したワインにはまる。ワイン、日本酒、芋焼酎をこよなく愛する酔っ払い。