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カリフォルニアが贈る、2023年の絶品ヴィンテージ!カリフォルニアワイン2023収穫レポート
[公開日]
カリフォルニアワイン2023年ヴィンテージは「並外れた品質」!
カリフォルニアワイン協会(California Wine Institute、略称CWI)が2023年のワイン用葡萄の収穫やワインの品質について発表しました。
レポートによれば、2023年は「並外れた品質のヴィンテージ」とのこと。
寒冷な冬の雨が豊富に降り、土壌が活気づき、夏の涼しい気温が葡萄果実に時間をかけて育成の余裕を与えたことにより、カリフォルニアの各地で栽培される様々な葡萄品種がどれも高品質な仕上がりとなった模様です。
各ワイナリーのコメントでは、2023年ヴィンテージは「美しいフレーバー、生き生きとした酸、優れたバランスを備え、ここ何年かの間で屈指の出来栄えになるだろう」と評されています。
じっくりと熟成した高品質な葡萄は、個性豊かでバラエティに富んだフレーバーを生み出し、どのワインも素晴らしい味わいを期待できそうです。
なお、カリフォルニアのワイン生産者はサステイナビリティにも注力しており、認証を受けたワイナリーが80%以上。
環境にも配慮されている中で、クオリティの高いワインが完成したということは、消費者にとっても喜ばしいことと言えるでしょう。
下記に掲載するCWIのレポートには、ワイン生産者のコメントも多く、カリフォルニアエリアの各区域ごとの多様性も伺え、ワイン初心者でも楽しめる興味深い要素がたくさん詰まっています。
カリフォルニアワイン2023年ヴィンテージをより一層楽しむガイドとして、ぜひご覧ください!
カリフォルニアワイン協会によるカリフォルニアワイン2023収穫レポート
CWIによる2023年のワイン用葡萄の収穫レポートは以下のとおりです。
カリフォルニア州のワイン生産者たちは、収穫の開始が遅くなった2023年ヴィンテージを並外れた品質のものとして喜ばしく思っています。冬にたっぷりと雨が降ったおかげで土壌の生命力が増し、健康な樹冠形成を促した一方で、春から夏にかけてカリフォルニア中で気温が低めであったため、ブドウはゆっくり時間をかけて生育し、いつもより長い成熟期間を得ることができました。ワイン生産者の多くが、2023年ヴィンテージは、美しいフレーバー、生き生きとした酸、優れたバランスを備え、ここ何年かの間で屈指の出来栄えになるだろうと予測しています。
収穫の開始はカリフォルニア州全域で遅く、通常の時期より2週間から丸々1か月遅れました。多くの品種が同時に成熟に達したため、収穫期間が短期間に集中しました。中には11月末まで収穫が続く見込みだと予測する生産者もいました。
カリフォルニアは米国全体のワイン生産量のおよそ80%を占め、世界で4番目に大きなワイン産地です。カリフォルニアワインの80%以上がサステイナブル認証を受けたワイナリーで生産されたものであり、カリフォルニアにある615,000エーカーのブドウ畑のうち半分以上が、カリフォルニア州の指定するサステイナビリティ・プログラム(カリフォルニア・サステイナブル・ワイングローイング認証、フィッシュ・フレンドリー・ファーミング、ローダイ・ルール、ナパ・グリーン、SIP認証)のいずれかの認証を受けています。
ワインメーカーとワイナリー・オーナーのコメント:カリフォルニアの生育期と収穫期について
レイク・カウンティのロウワー・レイクにあるシックス・シグマ・ランチの副社長、クリスチャン・アールマンは「冬はいつになく寒くて湿気が多く、珍しく10インチ(約25センチメートル)もの積雪もありました。ブドウ樹の休眠期に土壌中に水分が蓄えられ、春に樹が目覚めると、その状態を目一杯満喫していました」と、述べました。アールマンには、収穫開始は遅かったものの、雨季の始まる前に完全に成熟に達するだろうという確信がありました。「何よりも品質が優れており、とりわけテンプラニーリョとシラーにおいて顕著です。2023年のヴィンテージに大きな手応えを感じています」。
ナパとソノマのブドウを扱うダックホーン・ヴィンヤーズの醸造担当副社長、レネ・アリーにとって、今年は辛抱強さが鍵だったと言います。「この20年間、これほど気温が低く、晩熟のヴィンテージは見たことがありません。大いに待ち望んでいた雨が貯水池を満たし、ブドウ樹に栄養補給ができました」と述べました。この降水量は樹冠のさらなる成長をもたらし、ほとんどの品種において5%から10%収量増加に繋がりました。「栽培チームは摘房と、ブドウの必要な部分への調整を行いました。極めて晩熟の年では、バランスの取れたブドウに育て上げ、成熟を後押しするにはこの作業が大切でした」。今年のソーヴィニヨン・ブランの特徴は華やかでクリーン、そしてメルロは早い段階でフレーバーが発達し、バランスの取れた糖、明るい酸を見せているとアリーは言及しました。しっかりとしたタンニンと複雑なフレーバーは、今年のカベルネ・ソーヴィニヨンの出来栄えが素晴らしいことの証です。「私たちの2023年の赤は、いつもより気温が低かったヴィンテージを反映しています。ワインはエレガントでピュア、そしてアルコール感のバランスが良く、緻密な味わいです」。
セント・ヘレナのアルファ・オメガも同様に、降水量が多く、冷涼から穏やかな気温の冬と春を経験しました。「気温の低さに対抗して、幾分摘房を行い、ブドウを日光にさらすよう普段より少し積極的に除葉して成熟を進め、青っぽい風味を抑える対策を行いました」と、ワインメーカーのマット・ブレインは述べました。ブレインによると、ブドウは深い色合い、複雑なフレーバーとアロマ、ちょうど良い酸度を備えています。収量は平年並みから豊作まで地域によって幅があります。「このヴィンテージについては、その複雑さをとても気に入っています。今年、このサブAVA※ではどこのワインも個性が突出していて、このアペレーションと土壌型の真実の姿を示していると思います」。
※AVA=アメリカ政府公認葡萄栽培地域
ソノマ・カウンティのグレン・エレンにあるベンジガー・ファミリー・ワイナリーでも、ブドウはゆっくりと一定のペースを保って成熟しました。「この冬はたっぷりと雨が降ったおかげで、土壌からほっと安堵のため息が聞こえてきそうでした。ブドウ樹の樹勢が強く、樹冠管理が必要でしたが、それがかえって長い生育期をもたらしてくれました。灌漑を50%以上減らすことができ、全く必要のない区画もあったほどです」と、醸造担当役員のリサ・アマローリは述べました。収穫は9月21日に始まり、ベンジガーにとって2011年以来最も遅い開始日です。2週間という短期間のうちに予想収量合計の60%を収穫すると彼女は予測していました。ブドウは、低糖度で凝縮感とバランスの取れた酸を備え、素晴らしいフレーバーを呈しているといいます。「ソーヴィニヨン・ブランからカベルネ・ソーヴィニヨン、そしてその間にあるすべてのブドウが出色の出来です。私たちにとって、このヴィンテージの主役のひとつはメルロです。フルーティでジューシー、そして濃厚で凝縮感があります。ワインに関しては、これまでもエレガンスと力強さが見られましたが、今年はそれ以上の何かがあります。私はそれを気品と呼びたいです」。
サンノゼにあるJ.ロア・ヴィンヤーズ・アンド・ワインズの社長兼CEOのスティーブ・ロアは、ナパ・ヴァレーからモントレー・カウンティ、パソ・ロブレスに至るJ.ロアのすべてのブドウ畑で、今年の生育期は等しく気温が低く、降水量が多く、生育に時間を要したと述べました。J.ロアの2023年の初収穫は10月2日でした。「例年との目立った違いは糖です。糖度は上がるものの、非常にゆっくりでした。また、pHはおしなべて例年より低くなっています。バランスの良い年で、品質もとても高く、それが分かって非常にうれしく思います。フレーバーも別格の素晴らしさです。特にピノ・ノワールとシラー、その他カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フランが良いです」。毎年この時期になると果粒にしわが寄ることがありますが、気温の急上昇がなかったおかげで、今年は発生しなかったといいます。収量は、栽培チームの当初予想より20%から25%多く、ブドウはきれいな状態で届きました。「ワインは非常に濃厚で、おそらく例年より酸がやや高く、フレーバー豊かになると思います。このヴィンテージは、非常に品質が高い上に収量も平均以上だった1997年と2005年に似ているかもしれません」。
ローダイでは、冬の雨によって畑に多少難題がもたらされました。雨の多い気候が4月まで続いたため、ベト病のリスクや大きな樹冠、果実の密集が発生しました。「畑をきれいに保ち、灌漑を適切に管理し、着果負担を抑制し、質の良くないブドウを摘房することができた人たちは、グラスから飛び出すような、とびきり質の良いブドウという報酬が得られたことでしょう」と、アカンポにあるランゲ・ツインズ・ファミリー・ワイナリー・アンド・ヴィンヤーズのブドウ栽培担当副社長、アーロン・ランゲは述べました。「ブドウ栽培の管理者、害虫駆除アドバイザー、トラクター運転手、作業員の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」。ローダイの収穫は遅く始まり、晩秋までかかりました。ランゲでは、11 月13 日まで収穫が続きましたが、これはこのワイナリーの記録です。遅れはしたものの、このシーズンが終わる前にすべての品種が完熟すると確信していました。彼はまた、ワイナリー史上屈指のヴィンテージになると予測しています。「私は、ローダイとクラークスバーグのアペレーションからのワインについて非常に楽観的です。おそらく、ここしばらくのどの年よりも期待し、ワクワクしています。2023年のヴィンテージは、ワイン用ブドウの生産者に必要な気概を、ありのままに思い起こさせてくれる年になりました」。
リヴァモアにあるウェンテ・ヴィンヤーズの栽培マネージャー、ハナ・リンダーもまた、同ワイナリーのリヴァモア・ヴァレーとアロヨ・セコのブドウは、シーズンが終わる前に成熟のピークに達するという確信を口にしました。現実の課題は、短い収穫期間に例年より高い収量のブドウを、物理的にひとつ残らず摘むことができるかどうかだといいます。「赤ワイン品種にとっては、非常に優れた年になると思います。色も良く、酸のバランスが取れていて、素晴らしいフレーバーを備えていることが分かっています。リヴァモアのカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フラン、そしてモントレーのピノ・ノワールがどんなワインになるのか、ワクワクしています」。
モントレー・カウンティのグリーンフィールドにあるシャイド・ファミリー・ワインズは、スパークリングワイン用のブドウは例年より1週間遅れの8月末に収穫を開始したものの、全体的には約3週間遅れの収穫となりました。10月16日時点で、昨年は栽培面積の80%の収穫を終えていたのに対し、今年はわずか40%しか収穫が済んでいませんでした。同ワイナリーの業務執行副社長を務めるハイディ・シャイドは「母なる自然は私たちの味方で、先月の気温は理想的でした。開始が遅くなると、収穫が全て終わる前に雨が降るのではないかとの心配がつきまといます」。そのリスクを軽減するため、シャイドではいくつかの晩熟品種を摘房しました。今年はここ数年で最も冷涼な生育期で、土壌に水分をたっぷり含ませられるほど多くの冬の降水があり、土壌から塩分を濾し取ったため、樹勢が強くなったことが特徴的だといいます。「今年は品質と収量の両方とも素晴らしく、これは冬の豊富な降雨量に大きく起因しています」。また、成熟期までの期間が長かったおかげで、ブドウは品種特有の強い個性やバランスの取れた酸、低めのアルコール度数、赤ワイン品種の色の深みを呈していると彼女は言い添えました。「ピノ・ノワールやソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネといった冷涼品種が際立って素晴らしくなると期待しています。今年は、収量が多く、ブドウの質も素晴らしい、完璧な年になりそうです」。
セントラル・コーストのサンルイスオビスポにあるトロサ・ワイナリーでは、前年より1か月以上遅れて収穫が始まりました。「ピノ・ノワールとシャルドネの収穫を開始したのは、2022年の収穫完了より後の日付でした」と、ワインメーカーを務めるフレデリック・デリヴェールは述べました。生育期には例年の平均降水量の150%も雨が降ったため、気温の低い春となり、萌芽が4月初旬までずれ込みました。雨の影響はほぼ望ましいものではありましたが、一部の畑では湿気でベト病のリスクや侵食の問題が発生し、ぬかるんだ土壌のせいでトラクターの作業や草刈りが遅れました。樹冠が大きくなったことから、栽培チームは摘葉と側面の芽かきに想定外の時間を取られました。「今年は2019年を思い出します。あの年も進み方は遅いものの優れた年でした」。ピノ・ノワールとシャルドネは海沿いの特徴を明確に表現しています。豪華で華やかなスタイルではなく、土っぽさとミネラル感を備えたフィネスとエレガンスを見せてくれます。今年は、サンルイスオビスポの海沿いのワインで、誰もが自分の好みのスタイルの優れたものを難なく見つけられる年になるでしょう」。
サンタバーバラ・カウンティとパソ・ロブレスに畑を所有するサンタ・マリアのミラー・ファミリー・ワイン・カンパニーでは、2022年より約1か月遅れで収穫が始まりました。「例年より全てがゆっくりと進んだようですが、本当にきれいなブドウを収穫できました」と、業務執行副社長であり、最高販売・マーケティング責任者のニコラス・ミラーは述べた。「お客様はこの品質に非常に満足しています」。
2023/11/27 カリフォルニアワイン協会 プレスリリースより引用。
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