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大阪万博で味わう!赤い果実香るアルザスのピノ・ノワール――知られざる復活の物語
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白の印象が強いアルザスで、今注目を集める赤ワイン「ピノ・ノワール」
大阪万博・フランスパビリオンで、その進化の味わいを体験しよう
白ワインの名産地として知られるアルザス地方。
しかし今、この地で静かな変革が起きています。
それが、赤ワイン「ピノ・ノワール」の復活です。
大阪・関西万博のフランスパビリオンでは、2025年夏、個性豊かなアルザスワインが登場。
なかでもピノ・ノワールは、赤い果実の香りとエレガントな味わいで、多くのワインラバーを魅了しています。
アルザスワインのトリビア第4弾は、「ピノ・ノワール」です。
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赤い果実味が華やかなピノ・ノワール
アルザスのピノ・ノワールは、ラズベリーやイチゴのような軽やかな果実味から、
黒スグリやダークチェリーのような深みのあるタイプまで、驚くほど多彩。
テロワール(気候・土壌)や醸造方法の違いによって、ワインのスタイルが大きく変わります。
現在ではアルザス全土の葡萄栽培面積の約11%をピノ・ノワールが占めており、白の印象が強い地域にあって、確実に存在感を高めています。
修道士が伝えた赤ワイン文化――そして現代の復活へ
アルザスのピノ・ノワールの歴史は古く、1109年にブルゴーニュの修道士が現在のオットロット村に葡萄を植えたことが始まりとされています。
中世には修道院の財産目録にも赤ワインの記録が残るなど、かつてはアルザスに欠かせない存在でした。
しかし、戦争と国境の変動を経て白ワイン中心の時代へ。ピノ・ノワールは一時姿を消します。
近年、温暖化や土壌研究の進展によって品質が劇的に向上。
2022年にはグラン・クリュの区画にもピノ・ノワールが正式に認可され、再び脚光を浴びています。栽培面積もこの20年で31%増。
いまや、世界のソムリエたちが注目する赤として存在感を放っています。
ソムリエが語る、ピノ・ノワールの楽しみ方
1989年世界最優秀ソムリエのセルジュ・デュブス氏はこう語ります。
「温暖化と土壌調査などの研究が進んだおかげで、アルザスのピノ・ノワールは近年、急速に高品質化が進んでいます。とはいえ、ブルゴーニュなどに比べると、価格はまだまだお手頃なものが多い。グラン・クリュでさえ、お買い得と言えるワインがたくさんあります。樽風味と果実味のバランスもよいので、肉料理だけでなく、刺身ならマグロなどの赤身をはじめとした和食にもおすすめです。」
大阪万博では、フランスパビリオンにて期間限定で世界的ソムリエたちが厳選したピノ・ノワールを味わうことができます。
白の印象が強いアルザスで、今こそ“赤”の魅力を体験してみてはいかがでしょうか。
2025/09/01 アルザスワイン委員会 プレスリリースより引用
アルザス ピノ ノワール 樽熟 QVX 赤 750ml ワイン 【樽熟成】
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