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大阪万博で出会う、泡の芸術――アルザスのスパークリング「クレマン・ダルザス」の魅力
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フランス・アルザスのスパークリング「クレマン・ダルザス」
大阪万博のフランスパビリオンで提供される、そのエレガントな泡の魅力をひもとく
フランス東部・アルザス地方といえば白ワインの名産地として知られていますが、実はスパークリングワイン「クレマン・ダルザス」も世界的に高い評価を受けています。
2025年の大阪・関西万博では、フランスパビリオンにおいて、世界的ソムリエが選んだアルザスワインが提供されます。
そのラインナップのひとつとして注目されるのが、エレガントで繊細な泡を持つクレマン・ダルザスです。
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エレガントで多彩なスタイルの「クレマン・ダルザス」
トラディショナル製法(瓶内二次発酵)で造られるクレマン・ダルザスは、リンゴや洋梨などの白い果実、桃やアプリコット、柑橘類の香りが豊かに広がります。
長期熟成タイプでは、ブリオッシュや白い花、ドライフルーツを思わせる上品な香りも楽しめます。
多くは複数のブドウ品種をブレンドして造られ、ピノ・ブランやピノ・グリ、ピノ・ノワール、オーセロワが中心。リースリングやシャルドネを用いたスタイルもあります。
また、ピノ・ノワールだけを使用したロゼタイプの人気も高まっており、近年は世界中で注目されています。
歴史と伝統——クリーミーな泡に込められた情熱
アルザスでスパークリングワイン造りが始まったのは19世紀後期。
1900年のパリ万博でシャンパーニュに感銘を受けた生産者が修業を重ね、アルザスに戻って本格的な瓶内二次発酵ワインを造り始めたのが始まりでした。
「クレマン」という言葉は、フランス語で“クリーミーな”を意味します。もともとはシャンパーニュの中で泡立ちが柔らかいタイプを指していましたが、1990年以降は特定地域の高品質スパークリングワインを示す呼称に。
現在ではフランス全土で8地域の「クレマン」が造られていますが、その中でもクレマン・ダルザスは生産量・人気ともにトップクラスです。
1976年にAOC(原産地統制呼称)として正式に認定され、現在はアルザスワイン全体の約36%を占める一大カテゴリーに成長しました。
ソムリエが語る、ペアリングの楽しみ方
1995年世界最優秀ソムリエ・田崎真也氏は、こう語ります。
「白ブドウがメインのものが多いので、やさしい果実味と酸のバランスがとてもいいです。日本人のテイストに合うのではないでしょうか。
食前酒としても最適だと思います。シャンパーニュのような複雑でしっかりしたワインを食前酒にもってくると、あとに続くワインのセレクトが難しくなりますから。前菜の軽やかな味わいには、同じく軽やかな風味のクレマン・ダルザスがいいでしょう。
もちろん、食前酒としてだけでなく、食事をとおしても楽しめます。個性が強すぎず、懐の広い味わいなので、さまざまな料理に寄り添ってくれるでしょう」
軽やかで上品な味わいは、前菜からメインまで幅広い料理と好相性。
シャンパーニュよりも親しみやすい価格帯で手に入ることから、家庭の食卓でも気軽に楽しめる、日常のご褒美ワインとしてもおすすめです。
大阪万博で出会う、アルザスの泡
2025年の大阪万博・フランスパビリオンでは、期間限定で以下のアルザスワインが登場予定です。
ヘルフリッヒ (AOC クレマン・ダルザス、ブリュット、NV、白)
ドメーヌ・ローラン・ヴォグト (AOC アルザス リースリング 2023、白)
カーヴ・ド・テュルクハイム (AOC アルザス・グラン・クリュ「ブランド」 リースリング 2018、白)
ファミーユ・ヒューゲル (AOC アルザス ゲヴュルツトラミネール 2022「クラシック」、白)
アンドレ・エルハート (AOC アルザス ピノ・ノワール 2023、赤)
ドメーヌ・アルベール・マン (AOC アルザス・グラン・クリュ「フルシュテントゥム」 ピノ・グリ 2020、白)
提供期間は、2025年10月13日まで。
ぜひ、現地でアルザスの泡の魅力を体験してみてください!
2025/09/29 アルザスワイン委員会 プレスリリースより引用
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