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大阪万博で注目!アルザスが誇る「ビオディナミ」と多彩なテロワールの秘密
[公開日]
アルザスは、自然と共生するワイン造りの先進地――ビオディナミ農法の発祥地として知られる地域の、知られざる魅力を探る
フランス北東部、ドイツ国境に接するアルザス地方。
豊かな自然と多様な文化が交差するこの地は、個性あふれる白ワインの産地として世界中のワインラヴァーに愛されています。
そして2025年大阪・関西万博では、アルザスがフランスパビリオンにワイン産地として史上初の公式出展。
その背景には、環境と共生するアルザスならではの哲学があります。
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第7弾自然と共生するワイン造り「ビオディナミ」と多彩なテロワール
ヴォージュ山脈が生む、奇跡のテロワール
アルザスの葡萄畑はヴォージュ山脈の東側、標高200〜400mに広がります。
山々が海からの湿った風を遮るため、年間降水量はフランスでも屈指の少なさ。
温暖で乾燥した気候のもと、南〜南東向きの斜面が葡萄に理想的な日照を与えます。
さらに驚くべきは、その土壌の多様性。
約1億5千万年前の地殻変動により、花崗岩・石灰岩・粘土・頁岩などがモザイク状に分布。
まさに「フランスの地質見本市」とも呼ばれるほどで、村ごと・畑ごとに異なる個性がワインに表れます。
こうした複雑なテロワールが、アルザスのワインに爽やかな酸と奥行きあるアロマをもたらしているのです。
環境への先進的な取り組み ― フランス初のビオディナミ産地
アルザスは、フランスで最初にビオディナミ農法を取り入れたワイン産地でもあります。
1924年、哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱したこの農法は、「自然のリズムと調和する」ことを理念とし、化学肥料や農薬を使わず、月や星の動きに合わせて畑を管理します。
1970年にはユージェーヌ・メイエーがフランス初のビオディナミワインを手掛け、以降アルザスではこの考え方が広く浸透。
現在では葡萄畑の約35%がオーガニック認証を受け、そのうち7.2%がビオディナミ認証という驚くべき数値を誇ります。
シュタイナー教育のフランス最大校や、認証機関デメテールの本部がアルザスにあるのも象徴的。
まさに、環境共生の精神が地域全体に息づいているのです。
アルザスワインは“人と地球にやさしいワイン”
ビオディナミによるワイン造りは、品種やテロワールの個性をそのまま引き出すことを目的としています。
小樽熟成に頼らず、土地と葡萄本来の表現を重視するスタイルは、アルザスの自然条件と理想的に調和。
グラスを傾ければ、爽やかで透明感のある果実味の奥に、土壌と風土の息吹を感じるはずです。
それこそが、アルザスが世界中で“ピュアなワイン”と称される理由。
大阪万博でその味わいに出会える機会を、ぜひお見逃しなく。
2025/10/06 アルザスワイン委員会 プレスリリースより引用
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