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ワインの搾りかすで殺菌
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東京工業大学とハーバー研究所がワインの搾りかすを利用して細菌を死滅させる技術を開発した。
ワインの搾りかすにLED(発光ダイオード)の紫外線を照射することで、殺菌能力の高い活性酸素が発生することを発見。
葡萄を搾った後に発生する種と皮、アルコール発酵した後に生じる沈殿物を一度凍結乾燥してから水中に溶解し、ポリフェノールを含む抽出液を取り出して用いる。
1gの搾りかすから約2~3mgのポリフェノールが抽出可能とのことだ。
この抽出液に波長400ナノ(ナノは10億分の1)メートルの紫外光を照射することにより、活性酸素であるヒドロキシラジカルを効率的に生成できることを確認した。
ポリフェノールは活性酸素を消去する協力な抗酸化作用が知られているが、LED光の照射によって活性酸素を発生することはこれまで確認されていなかった。
東京工業大学の蒲池準教授とハーバー研究所の塚田チーフによる研究チームは、ポリフェノールが水中の酸素を還元して過酸化水素を生成し、さらにヒドロキシラジカルが生じると分析した。
この2つの反応に光エネルギーが関わっている可能性が高いと考えられている。
研究グループは、純水とワインの搾りかすの抽出液の2つを用意し、それぞれに黄色ブドウ球菌を混合してLED光を照射する実験を行った。
LED光照射10分後、約1,000万個存在していた黄色ブドウ球菌の数を調べると、純水の場合は10分の1しか減少しなかったのに対し、抽出液の側は約1,000分の1にまで減少。
また、LED光照射20分後には、抽出液の側は菌の全滅が観察されたという。
ワインの搾りかすの抽出液は、加熱による殺菌処理が行えないような野菜や肉などの生鮮食品や化粧品に応用できる。
また、既存の殺菌方法では、過剰に薬剤が投入されることもあったが、今回開発された技術では、ヒドロキシラジカルの量を光照射で調節することが可能になっている。
2016/1/15 日経産業新聞より引用。
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日本だけでなく世界でも利用される技術に発展していってもらいたいなーと思います。
しかしヒドロキシラジカルってなんかすごい名前だなあ。
怪獣かと思った。
(残念すぎる感想)