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停電時の保冷時間が従来の約2倍!ワインセラー新技術
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2017年3月1日、オーダーメイドのワインセラー設計製造を手掛ける株式会社コールドキューブ(静岡県浜松市)は、新技術のワインセラーを2017年4月から販売開始することを発表した。
新技術「緊急時冷却システム ECS」は、電気を使用せず蓄冷材を用いて冷却するシステム。
電源供給が停止した時、庫内の温度を摂氏20度以下に保つ時間が、従来製品と比較して約2倍に伸びているのが最大の特長だ。
シャープ株式会社と共同で開発したこの新技術は、シャープ社が開発していた蓄冷材を、コールドキューブ社がワインセラーに応用した形で実現した。
コールドキューブ社が「緊急時冷却システム ECS」開発に着手したきっかけは、磐田信用金庫主催の技術マッチング支援「いわしん知的財産研究会」にてシャープ社の蓄冷材を紹介されたことだという。
シャープ社の蓄冷材は、停電が多い国や地域向けの冷蔵庫に主に使用されているもの。
顧客からワインセラーの停電対策を求める声を以前から受けていたコールドキューブ社の嶋田社長は、この技術との親和性を強く感じ、2015年10月から新製品実現に向けて検討を開始した。
従来の停電対策では自家発電装置の設置が必要で、設置場所やコスト面で大きな投資が求められることが多かった。
新技術のワインセラーでは、蓄冷材を使用することで、セラーのサイズは従来のままに、保冷時間を約2倍に延ばすことが可能となった。(※1参照)
コスト面でも、比較的安価に対応が可能であり、あらゆる面でパフォーマンスに優れていると言える。
例えば、約6.6m²のワインセラーの場合、約70万円の追加投資で「緊急時冷却システム ECS」を設置できる。
蓄冷材をワインセラーに搭載するにあたり、一番苦労した点は蓄冷材の凍結を促す構造の設計だったという。
シャープ社が蓄冷材を使用した製品を他社と共同開発するのは今回が初めてということもあり、新技術の実現には試行錯誤を要した。
約1年の開発期間を経て、2016年11月にシャープ社と共同で特許を出願(特許2016-221676)。
特許出願の手続きにおいては、一般社団法人 静岡県発明協会のバックアップを受けた。
年間施工数の目標を、現在の約3倍の50件とし、5年後に5億円の売上を目指す。
今後、アジアなど海外への展開も視野に入れるという。
※1 外気温26.7℃の環境下で停電が発生した際に、ワインセラー内の温度を20℃以下に保持できる時間
取材協力・画像提供:株式会社コールドキューブ
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株式会社コールドキューブ
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