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ポルトガルワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」とは?~カジュアルで飲みやすい”緑のワイン”~
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日本でも人気の”緑のワイン”ヴィーニョ・ヴェルデ
ポルトガル産の爽やかな微発泡ワイン
近年、日本でも注目が集まる「ヴィーニョ・ヴェルデ」。
軽く爽やかな飲み口とリーズナブルな価格帯で、スーパーなどでも購入しやすいポルトガルワインです。
日本の食卓にもよく合う”緑のワイン”「ヴィーニョ・ヴェルデ」について、種類や飲み方を含めて解説します!
「ヴィーニョ・ヴェルデ」とは?
「ヴィーニョ・ヴェルデ」とは、特定のメーカーの商品名ではなく、ポルトガル北部のミーニョ地方で特定の条件のもとに生産されるワインの総称。
生産地や使用する葡萄品種など、ポルトガルのワイン法で厳しい条件が定められています。
「シャンパーニュ」や「バローロ」などのように、様々なワインメーカーが生産しており、「ヴィーニョ・ヴェルデ」の名を冠したワインが多数存在しています。
「ヴィーニョ(vinho)」は日本語でワインを、「ヴェルデ(verde)」は緑を意味する言葉。
完熟前の果実、つまりまだ緑色の果実から造られたフレッシュなワインであることが名前の由来のひとつと言われています。
一般的なワイン造りの場合と比較し1~2ヶ月ほど早く収穫しての醸造のため、発酵の過程で発生する気泡がワインに残りやすく、ごく弱めの微発泡を帯び、アルコール度数が低いという特徴を持ったワインに仕上がります。
味わいは爽やかで、さっぱりとしてとても飲みやすい印象です。
日本で見かけるのはほとんどが白ワインの「ヴィーニョ・ヴェルデ」ですが、ロゼや赤ワインも生産されており、それぞれとてもフレッシュで爽やかな仕上がりが特徴です。
なお、首輪をした猫のイラストが印象的なヴィニョス・ボルゲスによる「ガタオ」は、白の他にもロゼの「ヴィーニョ・ヴェルデ」が日本国内で販売されており、手に入りやすいロゼタイプのひとつです。
▼ワインデータベース
「ヴィーニョ・ヴェルデ」の産地と使用品種、生産者など
「ヴィーニョ・ヴェルデ」の生産地は、ポルトガル北部のミーニョ地方、ヴィーニョ・ヴェルデと呼ばれるスペインとの国境に近いエリア。
実は、ワイン名は、そのまま生産地の名前でもあるんです。
ヴィーニョ・ヴェルデは海側と山側とで標高差が大きく緑豊かなエリアで、標高の高い地域では寒暖差の激しさからワイン造りに適しており、古くからワインが生産されているポルトガルのワイン銘醸地です。
ワインに使用される葡萄品種は、ローレイロ、アベソ、アザール、トラジャドゥーラ、パデイロ、エスパデイロなど、ポルトガルの固有品種を多く含みますが、日本向けに輸出される「ヴィーニョ・ヴェルデ」では、高級品種のアルバリーニョが使用されているものが多くなっています。
国内向けのものと異なりアルバリーニョが使用されているのは、国内向けの「ヴィーニョ・ヴェルデ」では安価すぎるために関税や輸送費などを勘案すると輸出に向かないというのが大きな理由。
スペインでも多く栽培されているアルバリーニョは、豊かでキレのある酸味や海の風味が感じられる品種で、近年では新潟など日本国内でも栽培されており、「アルバリーニョ・2016」などアルバリーニョ100%の日本ワインも生産されるようになってきました。
▼参考記事
リーズナブルな価格で愛される「ヴィーニョ・ヴェルデ」ですが、近年は環境に配慮したワイン造りに取り組む生産者も増えており、品質向上と同時にワイン生産の環境を守る動きにも注目が集まっています。
アヴェレーダ、ソグラぺ、キンタ・デ・サンティアゴといった造り手は、「ヴィーニョ・ヴェルデ」を永く生産し続けられるよう、環境の保全や省エネなワイン生産に積極的に取り組んでいます。
日本でも人気の「マテウス・ロゼ」で有名なソグラぺでは、20年以上前から環境へ配慮したワイン造りを実施してきました。
土壌の保護や節水、排出ガス低減に向けた投資は、永続的なワイン造りを可能にするためにも必要なものであるとの見解を表明しており、スタッフへの環境保全に関する社内教育も重要視しています。
1800年代からワイン造りを営むアヴェレーダでは、農業エコシステムを重視しており、葡萄畑そのものが生け垣となり野生生物の保護区域となるよう、葡萄畑のレイアウトや構成を工夫しています。
自然の力を活かすことが、環境への影響を減らしつつ、人の手によるケアも同時に減らすことにつながり、結果として区画ごとの収益性を向上させるというのがその考えです。
また、葡萄農園のスタッフを周辺で暮らす人々で構成するなど、エコに整える取り組みは人間社会も含めた大きな枠組みで考えられているのも特徴です。
また、除草剤や化学肥料を避け自然を活かした統合農法を実践している家族経営のワイナリーであるキンタ・デ・サンティアゴ、伝統的な農法を再分析し最新技術と組み合わせた農業エコシステムを組合員に啓蒙する醸造協同組合のアデガ・デ・ポンテ・ダ・バルカなど、「ヴィーニョ・ヴェルデ」生産の関係者は環境保全に向けて積極的に取り組んでいます。
「ヴィーニョ・ヴェルデ」の楽しみ方
爽やかでスッキリした飲み心地が多い「ヴィーニョ・ヴェルデ」の白は、6~8℃ほどの温度に冷やして楽しむのがオススメです。
食前酒として楽しむのにもぴったりですし、食中酒としても活躍しやすい味わいで、日本の食卓とも良く合います。
お料理に合わせる場合、魚介類を使用した料理、サラダや野菜のグリルなどのほか、和食とのペアリングもオススメ。
ビールのようなイメージでお食事と合わせることができる、スグレモノです。
「みんなのワイン」的オススメは、キリッと冷やした「ヴィーニョ・ヴェルデ」をお風呂上がりにいただく楽しみ方。
スッキリ爽やかな飲み口で、心身ともにサッパリできますよ!
2019/10/21 ヴィーニョ・ヴェルデワイン協会 プレスリリースより一部引用。
ボルゲス ガタオ ヴィーニョ・ヴェルデ 白 750ml×12本セット
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