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カリフォルニアワイン 2019 収穫レポート【カリフォルニアワイン協会】
[公開日]
涼しい気候と長い生育期間のおかげで、高品質のブドウが得られた年
サンフランシスコ発: 2019年のワイン用ブドウの収穫は、多くのカリフォルニアのワイン産地において、平年より1、2週間遅く始まりました。2月には、テメキュラ・ヴァレーとソノマ・カウンティ ―― とりわけロシアン・リヴァー・ヴァレーの地域で激しい雨が降りましたが、ブドウ樹が休眠中であったため、2019年の果実に影響が及ぶことはありませんでした。春も引き続き雨が多く、開花の期間にもいくらかの降雨があり、そのあとの気温も低めだったので、果実はゆっくりと成熟していきました。
カリフォルニア中のワイン用ブドウが、長く冷涼な生育期間のために低い糖度で熟し、ワイン生産者たちは2019年産の果実について、風味が十分にのっていて、フレッシュな酸味があり、素晴らしいバランスだと褒め称えています。
10月の山火事は、この年の収穫には影響を及ぼさず、というのもワイン用ブドウの大半がすでにワイ
ナリーに運び込まれていたからで、2~3 は個別の被害が発生したものの、州全体で3,900軒あるワイ
ナリーの残りは通常どおりの営業を行っています。
米国農務省が発表した8月の作物高レポートによれば、2019年には420万トンの収穫量があると見
積もられており、2018年の州全体破砕量より2%少ないものの、歴史的平均の390万トンよりは若干
多くなりました。しかしながら、カリフォルニアの原産地呼称の多くでは、ワイン生産者が少なめから中庸の収穫高を今年について予測しています。
持続可能性への取り組みが、収穫にあたって恩恵を生み、それ以上の成果も得られる
カリフォルニア州は国全体の80%のワインを生産しており、もしこの州をひとつの国だと考えると、世界で第4 位のワイン生産国となります。カリフォルニアワインの85%が、「持続可能認証を受けたカリフォルニアのワイナリー」で生産されており、州に637,000エーカーあるブドウ畑の30%が、カリフォルニア・サステイナブル・ワイングローイング・アライアンス(カリフォルニア州持続可能型ワイン生産連盟)によって持続可能の認証を受けています。将来の世代のために土地を保全することに加え、州のワイン生産者が採用する持続可能な手法の多くが、生育期間と収穫時期が順調に推移することに寄与し、ワインの品質を高めています。
過去4 年の間、ナパ・ヴァレーのセント・ヘレナにあるスポッツウッド・ワイナリーは、光学式選果機を使って収穫時期の効率性と果実の品質を高める一方で、水の使用量を減らしています。
「選果機のおかげで、どの日であってもより多くの果実を受け入れることができるようになり、タイミングの悪い猛暑がもたらすマイナスの影響を極小にできるんです」と、スポッツウッドの社長・CEO であるベス・ノヴァク・ミリケンは語っています。「今の選果ラインでは、機械の洗浄が以前の機器と比べてはるかに容易なので、破砕時に毎日使用する水の量を相当節約することができています」
このワイナリーではまた、樹液の流動を測定しており、それによってブドウ樹が求めるまさにジャストの量の灌漑だけを行うことができ、水のやり過ぎを防いでいます。
巣箱は、ブドウ畑の有害生物を駆除する自然の捕食者、フクロウを呼び寄せてくれます(写真:ロバート・ホームズ)
ターリー・ワイン・セラーズも、アマドア・カウンティ、パソ・ロブレス、ナパ・ヴァレーにあるブドウ畑で無灌漑農法を採用して収量を制限することで、水の保全に努めています。このワイナリーはまた、堆肥、被覆作物、微生物農薬、畑の害虫対策のための捕食生物の導入といった、持続可能な実践を行っています。
「ブドウの収量を制限すると、よりよいpHの値と酸味が収穫時に得られ、最終成果物であるワインがより安定します」と、ターリーのワイン造りを統括するティーガン・パッサラクアは説明しています。「収量を絞れば、灌漑の必要性も減ります。水をやりすぎて、房に腐れやベト病が出てしまったら、収穫時にあまりクリーンではない果実を扱わなければならなくなります」
ジャクソン・ファミリー・ワインズはカリフォルニア中でブドウ畑を耕作していますが、霜害予防のために大型扇風機を用い、ワイナリーからの排水を灌漑に再利用しています。土壌の健康を保つことにより、農薬の類いを用いる必要が減り、果実の品質も高まっています。
「私たちは、堆肥の使用、生態学的多様性の向上、被覆作物の植え付けといった手法に熱心に取り組んでいて、活力ある健康な土壌がいかに継続的な問題、すなわちブドウ樹の病気、除草剤の使用、頻繁な肥料の散布といった事柄を、解決してくれるか見極めているのです」と、サンタ・ローザに本社があるジャクソン・ファミリー・ワインズで企業の社会的責任を管轄する上席副社長、ケイティー・ジャクソンは解説しました。
「健康なブドウ樹は農薬をあまり必要としないし、寿命も長く、より高品質な果実を生み、そこからはより高品質なワインが得られます」
ローダイにあるランゲ・ツインズ・ファミリー・ワイナリー・アンド・ヴィンヤーズで、栽培責任者を務めるアーロン・P・ランゲの言うところによると、ブドウ畑やワイナリーで行う何かひとつの手法だけで、収穫時によりよい果実が得られるわけではありません。
「持続可能なブドウ栽培をするとは、絶え間なく最高品質のワイン用ブドウを求め続け、その一方で耕作に関するマイナスを減らし、プラスを増やすよう努めることです。そのためには、ブドウ畑における土壌の管理、適切な台木の選択、高価な観測機器の使用、そして昔ながらの経験豊かな観察眼といった諸要素をひとつにしなければなりません。腕利きの農夫、ワイン生産者、地所管理人が協力することで、卓越した収穫物を得られるチャンスが最大になると信じています」
テルラート・ヴィンヤーズのジョン・テルラートは、その一族がサンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・リタ・ヒルズの原産地呼称で、サンフォード・ワイナリーを営んでいますが、彼も収穫時によりよい果実を手にするためには、生育期間を通じて持続可能な実践を最大限行うべきだと信じています。
「無数の小さな行為やステップを積み重ねることで、はっきりした差を生む臨界点に達するのです」と、テルラートは語っています。サンフォードにおけるそうした行為とは、水資源の管理・保全、土壌の健全度を増すための堆肥の散布、統合防除、土壌浸食を防ぐための被覆作物、齧歯類の個体数コントロールのための猛禽類の止まり木やフクロウの巣箱の設置などです。
このワイナリーではまた、ラ・リンコナーダとサンフォード&ベネディクトの畑において、無灌漑でブドウを育てており、これは水の使用量を大幅に減らすとともに、高品質の果実を得ることに役立っています。「無灌漑農法は今年、ワイン用ブドウの栽培、収穫、ワイン造りのいずれにも非常によい効果を与えてくれました」とテルラートは言っています。「ブドウ樹の樹冠は(無灌漑に)よく反応してくれて、酷暑にも耐え、大変に凝縮した果実が手に入りました」
地域別の2019年収穫レポート
エルドラド・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 2,176エーカー
主力品種: ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー
2018年から2019年にかけての冬は、過去何年かと比べて寒く、平年より雪が多いものでした。春になっても低めの気温は続いたので、芽吹きが数日遅れており、開花中の天候が思わしくなかったせいで、いくつかの品種では結実が少ないバラ房になりました。夏も平年より涼しかったものの、短い熱波が2度訪れています。秋の天候は予想しがたいもので、比較的暖かい気候のために、ブドウ畑ではウドンコ病や灰色カビ病が発生しないよう、注意する必要がありました。収穫の開始は平年より1週間から10日は遅くなり、収量は平年より10~20%下回るだろうと予想されています。果実の品質はとても高く、カベルネ・ソーヴィニヨンではとりわけそれが顕著であり、低い糖度で熟した風味が得られました。開花時期の天候には恵まれなかったものの、ジンファンデルとシラーもまたよい案配です。
レイク・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 9,681エーカー
主力品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、ソーヴィニヨン・ブラン
当地域のワイン生産者の多くが、平年よりも早い収穫を迎えましたが、これはレイク・カウンティで春の雨が多く、生育期間はじめの気温が比較的低かったことを考えると予想外でした。とはいえ、生育期間の半ばにさしかかると、平年並みの気温になったため、均質な成熟、場合によっては早めの成熟が見られています。当地域では夏を通じ、ほどほどに暑く、晴れの日が続きました。収穫の開始は8 月下旬、当地域の代表的品種であるソーヴィニヨン・ブランから始まり、造り手たちは果実の素晴らしい風味と、快活でアロマティックなワインを仕込むのに理想的な糖・pHを称賛しています。栽培家たちはブドウの品質全般について楽観的であり、人によっては2019年がこれまでで最高のヴィンテージだと考えているようです。
リヴァモア・ヴァレー
ワイン用ブドウ総栽培面積: 2,914エーカー
主力品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、メルロ
2019年の生育期間は全般的に穏やかなもので、熱波に見舞われることはほとんどありませんでした。3月の雨のために芽吹きが遅れましたが、開花時期の天候は申し分ないもので、結実は実にうまくいっています。穏やかな天候のおかげで、ワイン生産者たちは良好かつ長きにわたる生育期間と長めのハングタイムを享受することができ、果実には凝縮した風味がもたらされました。9 月下旬の雨には造り手たちも驚きましたが、果実に悪影響を与えずに済んでいます。2018年と比べれば、収量は極めて少なくなったものの、2016年、2017年といった平年並みの水準には落ち着きました。シャルドネにはベト病の被害がかなり出たものの、当地域の主力品種は全般に成功を収めています。造り手たちはとりわけ白ワインの品質の高さに興奮を覚えており、それは逞しい風味、フレッシュな酸味、愛らしいアロマに満ちているからです。赤ワインもまた、上質のようです。
ローダイ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 110,000エーカー
主力品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、シャルドネ
芽吹きが遅れたため、過去数年と比べて生育期間の開始は遅くなりました。5月に雨が多かったため、いくつかの品種では開花に影響が出て、収量が少なめになっています。8月中旬に始まった収穫時期のほとんどは、理想的な天候条件が続いたので、果実は徐々にその糖分を蓄えていき、おかげでワイン生産者たちは適熟のタイミングを狙って摘み取りをすることができました。収量は少なめから中庸です。当地域の主力品種は成功を収めており、品質は例外なく良好の模様です。ハングタイムが長く、糖分蓄積もゆっくりと進んだので、果実には優れたバランスとフレッシュな風味がもたらされており、生産者たちは2019年産のワインが、高品質に仕上がるのを楽しみにしています。
マデラ・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 31,005エーカー
主力品種: フレンチ・コロンバール、グルナッシュ、シャルドネ
寒い春と異例なほど涼しい夏のために、マデラ・カウンティのブドウ畑では開花が遅くなりました。晩夏の酷暑のせいで果実の成熟が進みましたが、収穫の開始は平年と比べ約2週間後ろ倒しになりました。ワイン生産者たちは、すべてのブドウで品質が高いと報告しており、果実は際だった風味に満ちています。
メンドシーノ・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 17,512エーカー
主力品種: シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール
雨が多かった春のあと、芽吹きは平年よりも遅くなりました。開花も遅くなり、花が咲いている期間中には少し雨が降って、湿度が高くなっています。ウドンコ病の繁殖に適した気温であったため、被害が出てはしまったものの、栽培家たちは状況をコントロールできていました。その後の生育期間はほとんど、天候は穏やかであり、樹冠は健康で、果実も予測可能な速度で進んでいます。収穫開始の時期は平年並みで、収量は少なめから中庸、ただしジンファンデルだけは例外で、中庸から多めの収穫が得られました。ワイン生産者たちは、このヴィンテージの果実が優れた品質だと報告しています。
モントレー・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 46,117エーカー
主力品種: シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン
生育期間は長く、ほとんどの間は涼しかったのですが、10月上旬には少々気温が高くなりました。生育期間のはじめは平年より少し寒かったものの、芽吹きや開花の時期に、異例な温度変化は起こりませんでした。収穫時期の湿度が高かったために、摘み取りのタイミングを選ぶのが過去数年と比べてシビアになり、栽培家たちは酸味のレベルが落ちる前に急いでブドウを摘みました。2018年は記録的に多い収量でしたが、2017年は平年並みの水準、2017年に近い量に戻りました。醸造家たちは果実の高い品質に興奮を覚えており、どこでも卓越したヴィンテージになりました。2018年にひけをとらない出来映えだと考えられています。これはシャルドネ、ピノ・ノワールほか、すべての品種について言えることです。果実には強い酸味と、華々しい風味が備わっています。
ナパ・ヴァレー
ワイン用ブドウ総栽培面積: 45,433エーカー
主力品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、メルロ
豊富な冬の雨のおかげで土壌は水分をたっぷりと蓄え、来たるべき生育期間と樹冠の成長にとって歓迎すべき条件が整いました。過去2年と比べると春の気温が少し低く雨も多かったため、2018年と比べて芽吹きと開花が2~3週間遅くなっています。5月の雨はカベルネ・ソーヴィニヨンにとっては恵みであり、雨の時期に開花を迎えていた白ワイン用品種にもほとんど影響を及ぼしませんでした。夏の気温は高かったため、開始が遅くなったブドウの生育はその遅れを取り戻しましたが、それでも多くの造り手は、過去10年の平均と比べて1~2週間遅く摘み取りを始めていました。8月下旬および9月上旬は、日中が暑く、夜は冷え込んだため、ほぼ理想的な成熟条件が得られていますが、例外的だったのは相当な冷え込みが始まる前に2日間だけ続いた8月中旬の熱波でした。醸造家たちは、平年並みの収量、しっかりした酸味、ほどよい糖度を報告しており、すべて2019年がバランスのとれた年になったことを示しています。房の大きさと果粒の重量は上昇しており、これはひとつには5月に異例なほど雨が降ったためと見られています。造り手たちは収量について、2018年と同じか、若干少なめだと報告しています。
パソ・ロブレス
ワイン用ブドウ総栽培面積: 40,000+エーカー
主力品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー
生育期間のはじめ、土壌は水分に満たされており、それはしっかり雨が降った冬と晩春の雨のためです。
カリフォルニアの多くの他地域と同様、芽吹きは平年より2週間遅く始まっています。ブドウは、涼しい夏の気温の中でゆっくりと均質に成熟し、酷暑が長く続くようなことはありませんでした。収穫の開始は、過去数年と比べると2~3週間遅くなりました。ワイン生産者たちは平年並みか、2018年と比べて若干多い収量になるだろうと予測しており(収量が少なかったグルナッシュは例外として)、その原因は豊富な春の雨にあります。総じて、ボルドー品種にはフレッシュな酸があり、風味には優れたポテンシャルが見られます。シラーは素晴らしい出来で、フェノール類の量が記録的に高くなりました。グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、ヴィオニエといった多くの白品種も、卓越した個性を見せています。カベルネ・ソーヴィニヨンとボルドー品種は酸の数値が申し分なく、よい出来映えです。
サン・ディエゴ・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 641エーカー
主力品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー
冬の寒さは平年より厳しかったものの、凍てつくほどではなく、ブドウは安らかに休眠することができました。平年以上に降った雨は、灌漑用水によって土壌に蓄積された塩分を洗い流してくれましたが、同時にワイン生産者たちはウドンコ病への警戒を強めなければならなりませんでした。収穫開始は平均より2週間遅かったものの、収量は2018年より30%増えています。造り手たちは、あらゆる品種について果実の品質に称賛を送っており、pHが高くなる前に目標とする糖度で摘み取りができました。
サンタ・バーバラ・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 15,563エーカー
主力品種: シャルドネ、シラー、ソーヴィニヨン・ブラン
曇りがちで気温も低かった春のため、当地域では芽吹きも開花も遅くなりました。花が咲くのが遅くなったおかげで、春としては異例の強い風をやり過ごすことができ、良好な結実が得られました。低い気温はその後も続き、ワイン生産者たちはブドウが熟すのを待って待って待ち続けましたが、8月に熱波がやってきて成熟の遅れを取り戻すことができました。今日、いわゆる「平年並みの」収穫時期という表現はもはや使えなくなっていますが、摘み取りは2017年、2018年より3週間遅く始まり、それ以前の年のタイミングに戻っています。房の重量は軽くなり、収量も2018年より若干少なくなりました。造り手たちは総じて高品質だと報告しており、風味に富んだブドウからは最高の2019年産ワインが生まれるだろうと見ています。
サンタ・クルーズ・マウンテンズ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 1,600エーカー
主力品種: ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ
芽吹きから、開花、色付き、収穫に至るまで、生育期間の各段階は地域全体で遅いものとなりました。冷たい雨のせいで芽吹きは約1カ月遅れ、5月末に100ミリ近く降った雨のために、海岸沿いで育つシャルドネとピノ・ノワール、低い標高の場所に植わるカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの結実に影響が出ています。シャルドネとピノ・ノワールについては、平年より収穫開始が1~2週間遅くなりましたが、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドといった晩熟の品種については例年並みでした。
収穫時期は、暑い日と寒い日が交互に来る気まぐれなもので、生産者たちはいつでも摘み取りに取りかかれる備えをしていました。収量はたいていの品種で平年並みか、平年をわずかに下回る程度でしたが、ピノ・ノワールについては20%少なくなっています。カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランの両方で、品質は優れていました。海岸沿いのシャルドネ、メルロ、ピノ・ノワールについては品質が極めて高いと見えます。この年は、風味の成熟が糖分の蓄積より早く進み、酸味はほどよい水準で、色とタンニンは抜群だと思われます。
ソノマ・カウンティ
ワイン用ブドウ総栽培面積: 59,193エーカー
主力品種: シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン
記録的な量の雨が冬に降ったあと、春の気温は低く、夏についてはソノマ・カウンティのワイン用ブドウにとってほぼ完璧な天候でした。例年より低い春の気温は果実の発達をいくらか遅らせ、積算温度についてもわずかに低くなったため、多くの地区で過去数年と比べて収穫開始が後ろ倒しになりました。収穫の開始は8月中旬でしたが、事前の予想では昨年の開始日より1週間から10日遅くなるだろうと考えられていました。カウンティ全土のワイン生産者からの報告によれば、果実の品質は「良好」から「傑出」とのことです。
テメキュラ・ヴァレー
ワイン用ブドウ総栽培面積: 1,178エーカー
主力品種: サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー
冬には何度か激しい雨が降り、特に2月半ばに起きた洪水に際しては、当地域で若干数のワイナリーが営業停止に追い込まれました。続いての春は比較的気温が低く、夏の訪れは早かったのですが暑さはほどほどでした。湿度の高い生育期間であったため、ベト病の脅威が高まりはしたものの、ほとんどのブドウ畑では栽培管理をしっかりとすることで被害を避けることができています。収穫の開始は2018年より2~3週間遅く、収穫量は増えました。20~40%も増えた例もあります。あらゆる品種で品質は良好であり、とりわけカベルネ・ソーヴィニヨンと他のボルドー品種で顕著、果実は均一に熟しており、すばらしい色と風味を早くから備えていました。
カリフォルニアワイン協会とは
カリフォルニアワイン協会(本部・カリフォルニア州サンフランシスコ)は、1,000社を超えるカリフォルニアのワイナリー及びワイン関連企業から構成される非営利団体で、ワインの生産や流通や消費に関する政策的な提言を行っています。輸出プログラムにおいては、世界13カ国に事務所を置き、重要な市場情報の提供及びプロモーションを支援しています。ワイン業界関係者・メディア・消費者向け試飲会の実施などをサポートしており、毎年175以上のカリフォルニアのワイナリーが当プログラムに参加、138カ国にワインを輸出しています。日本事務所は、カリフォルニアワインの普及促進、日本市場における関税、非関税障壁の監視などを目的に1985年に設立されました。
2019/11/30 カリフォルニアワイン協会 プレスリリースより引用。
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