初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
ドメーヌ(Domaine)
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葡萄栽培から瓶詰まで一貫して手掛ける主に主にブルゴーニュ地方のワイン生産者
【初心者でもすぐわかる】ブルゴーニュ地方特有の小規模な葡萄畑でワイン造りを行う生産者
フランスワインの最高峰のひとつ「ロマネ・コンティ」の名は、ワインを学び始めたばかりの方も聞いたことがあるのではないでしょうか。
正式名は「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(Domaine de la Romanee-Conti)」で、直訳すると「ロマネ・コンティ地区」といった意味になります。
「ドメーヌ(Domaine)」はフランス語で「区画、領域、領地」という意味ですが、ブルゴーニュ地方では、葡萄畑を所有し栽培から瓶詰までを手掛けるワイン生産者のことを指しています。
ボルドー地方の「シャトー」と意味は非常に似ていますが、ブルゴーニュの「ドメーヌ」が大きく違う点は、主に畑の区画の規模です。
ブルゴーニュでは1つの畑の規模がボルドーに比べると小さいことが多く、さらに、1つの畑に所有者が複数いるという状態も珍しくなく、1ヘクタール未満の区画も多数存在しています。
このため、生産者ごとのワイン生産量も少ない傾向にあり、人気の高いドメーヌのワインには、入手の難しさから高いプレミアがつくことも珍しくありません。
「ブルゴーニュの神様」と呼ばれる名醸造家アンリ・ジャイエ氏のワインも、世界中のワイン愛好者から求められる反面、生産量の少なさにより、世界で最も高額取引されたワインとなったことで知られています。
逆に、冒頭で例に挙げた「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ」は、ブルゴーニュには珍しい広い畑を単独で所有するドメーヌです。
一般的なブルゴーニュワインは、複数のドメーヌで同じ畑名のワインを生産することが珍しくありません。
例えば「ジュヴレ・シャンベルタン クロ・サン・ジャック」とラベルに表記したワインの造り手は複数存在しています。
(ジュヴレ・シャンベルタンは村の名前、クロ・サン・ジャックは畑の名前で、クロ・サン・ジャックの所有者が複数存在するために同様のワイン名となる)
一方、ロマネ・コンティ村一帯はいちドメーヌが所有しているため、ロマネ・コンティという名前のワインは、他の造り手が存在しません。
同じワイン名がたくさん存在するのはワイン初心者にはとてもややこしく、なぜそれぞれ固有のワイン名をつけないのかと不思議にも思いますよね。
ブルゴーニュでは、古くから葡萄畑の等級が厳密に定められており、その等級に応じてワインの価値も変わるため、村名や畑の名前が重要な情報として扱われています。
生産者の名前は小さく表記するにとどめることが多いのもこのためです。
このため、ワイン名の名付けルールも似通い、ほぼ同じワイン名となりやすいのです。
つまり、ワイン生産の歴史が長く、商業的な価値を評価するしっかりとしたルールがつくり上げられてきた故に生まれたややこしさという訳ですね。
「ドメーヌ」を冠するのはほぼブルゴーニュ地方のワイナリーですが、ラベルやワイン名に表記する義務などはなく、中にはラベルに記載するワイナリー名にドメーヌを入れない生産者も存在します。
また、これはブルゴーニュには限りませんが、畑を所有せずに買い付けた葡萄でワイン生産を行う生産者もおり、そうした生産者は、ブルゴーニュでワイン造りを行っていてもドメーヌとは呼ばれません。
このため、「ワイナリー名にドメーヌと入ってないから別の地方のワイン」と考えるのは誤りです。
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