初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
カヴァ
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シャンパーニュ製法を用いて生産されるスペイン産スパークリングワイン
カヴァとは、スペインの特定地域でシャンパンと同じ製法を用いて生産されるスパークリングワインです。
生産地域や使用品種、製法、熟成期間などが、スペインのワイン法によって明確に定められています。
フランスのシャンパンと比較し、飲み頃が早く到来することや、価格がリーズナブルでコストパフォーマンスが高いことから、日本でも高い人気を得ています。
葡萄品種や醸造方式の条件を満たしていても、生産地が違っていたり、熟成期間が規定に満たないものは、カヴァとは呼ばれません。
【初心者でもすぐわかる】スペイン版のシャンパン
スペインのワイン法で定義されたカヴァには、産地や栽培方法、使用する葡萄品種、醸造方法など様々な条件が設けられています。
大きな条件としては、以下のようなものが挙げられます。
●カタルーニャ州を中心とした特定の地域で生産されていること
●瓶内二次発酵(シャンパーニュ製法、トラディショナル方式)によって生産されていること
●使用して良い葡萄品種は、マカベオ種、パレリャーダ種、チャレッロ種、シャルドネ種、スビラ・パレン種、ガルナッチャ種、モナストレル種、トレパ種、ピノ・ノワール種に限定
●9ヶ月以上の熟成を経ていること
カヴァの生産にはシャンパンと同じ瓶内二次発酵が用いられていますが、これはカヴァのルーツがシャンパンであることによります。
1800年代にフランスからスペインのカタルーニャ地方にシャンパンとともにその製法がもたらされ、スペイン伝統品種を用いたスパークリングワインとしてカヴァが誕生しました。
実は、カヴァという名称が確立したのは1970年代のことで、それまではスペイン産スパークリングワインをシャンパンと呼んで流通していたそうです。
しかし、呼称に関してフランスが抗議したことにより、スペイン産スパークリングワインのうち、瓶内二次発酵で生産されたものにカヴァという名称が与えられ、名乗るための条件なども整えられました。
カヴァ(Cava)はスペイン語で「洞窟」を意味する言葉で、ワインのセラーとして洞窟が用いられていたことに由来しています。
ちなみに、産地に関する条件が加わったのは、スペインがECに加入してからのこと。
EC法への準拠のために生産地の範囲を後から規定したため、カヴァの生産地は一か所ではなく、スペイン全土の8自治州に点在する形になっています。
産地が点在しているという点が、フランスのシャンパンとは大きく異なる特徴のひとつです。
カヴァとシャンパンの違いには、熟成期間の長さも挙げられます。
シャンパンよりも短期間でリリース可能になるカヴァは、高品質にも関わらずリーズナブルな価格帯で流通することが多く、コストパフォーマンスの高さも人気の理由のひとつとなっています。
そんなカヴァの代表的な銘柄を、いくつかご紹介します。
カヴァの生みの親とも言えるワイナリー、コドーニュの代表的なカヴァ「コドーニュ クラシコ・セコ」。
お食事に合わせやすく、リーズブルなテーブルワインとしてもオススメのカヴァです。
【本格シャンパン製法・スペイン王室御用達ワイナリー】コドルニウ・クラシコ セコ
カヴァ最大の生産量を誇るフレシネの「フレシネ コルドン・ネグロ」。
とても親しみやすい味わいとリーズナブルさで日本でも広く親しまれています。
【世界NO.1カヴァ(スペイン産スパークリング)】 フレシネ コルドン・ネグロ
テレビ番組のブラインドテイスティングで、1975年物のドンペリ・ロゼよりも高い評価を受けて話題となった「ロジャーグラート カヴァ グラン・キュヴェ ジョセップ・ヴァイス」。
ロジャーグラート カヴァ グラン・キュヴェ ジョセップ・ヴァイス
▼ ワインデータベースでも紹介しています
カヴァもたくさんの銘柄が存在しますが、実は近年、大量生産の安価なカヴァを手掛ける生産者と品質を守りたい生産者との間に対立が生じており、カヴァという呼称を避ける生産者も出ているそうです。
今後、カヴァの流通にも変化が生じるかもしれません……。
スペインの辛口スパークリングワイン”カヴァ” 白・ロゼ 飲み比べ
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