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個性豊かな『ギリシャワイン』の魅力に触れる~神話から現代に受け継がれる歴史と個性
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ギリシャ神話にも登場してきた、歴史あるギリシャワインに触れてみませんか?
地中海のテロワールと伝統を反映したギリシャワインが持つ豊かな個性と魅力
あふれる陽光と青い海の美しい景観、現代にも受け継がれる遺跡や神話など、魅力豊かなギリシャ共和国。
ヨーロッパの文化や歴史においても非常に重要な存在であるギリシャ文明は、古くからワインを愛してきた文化でもありました。
紀元前2000年頃にワイン造りが始まったというギリシャのワインは、日本ではまだ見かける機会が少なく、ワイン初心者の方にとっては珍しく感じられるかもしれません。
神話にも登場するギリシャワイン、その歴史と現代のギリシャワインの魅力やオススメのワイナリーをご紹介致します!
フェニキア人からの伝来以降、独自の発展をとげたギリシャワインの歴史
ギリシャにおけるワイン造りは、紀元前2000年頃に古代フェニキア人から伝わり始められたとされています。
その文明の発展に伴い、ギリシャから地中海全域へとワインが広がっていき、各地で盛んにワイン生産が行われるようになりました。
ギリシャやローマの遺跡から見つかる「アンフォラ」という甕の形をした大きな陶器は、ワインを貯蔵・運搬するためにも使用されており、古代ギリシャ人がワインを愛飲していたことが伺えます。
ワイン伝来当初は上流階級のみが嗜んでいたようですが、徐々に一般庶民の間にもワインは広まっていき、ギリシャ文化にとって非常にポピュラーな飲み物へと変化していきました。
古代ギリシャでは、ワインを水で割るのが主流な飲み方だったそうで、ギリシャ語でワインを指す「κρασί(クラシ)」には「混合」という意味があるのだとか。
ギリシャ文明の中でワインが重要視されていたことは、神話の中に葡萄酒を司る神、ディオニュソスが登場することからも伺えます。
ギリシャ神話の中心的存在であるオリュンポス十二神の一柱に数えられることもあるディオニュソスは、葡萄栽培も守護する神で、豊穣や葡萄酒による酩酊も司っていました。
ディオニュソスはローマ神話にもバッカスとして登場し、ローマ文化でも民衆に崇拝され続けました。
神話の中で、ディオニュソスはギリシアをはじめとした各国を放浪し葡萄栽培や葡萄酒を民衆に広めますが、この物語は、ギリシャにおいてワインが広まった過程を示すものとも考えられます。
また、ワインの保存や運搬にアンフォラを使用したことがきっかけとなり、現代にも続くギリシャワインの「レッツィーナ」が誕生したと言われています。
アンフォラの蓋を密封する松脂の香りがワインに移り、独特な風味が生まれたという「レッツィーナ」は、他にはない個性と伝統が現れた、ギリシャワインを語る上では外せない存在です。
上流階級から庶民まで広くワインに親しみ、ローマへもワイン文化を伝えてきたギリシャですが、オスマン帝国の支配下となった15世紀から19世紀頃には、ワイン造りは停滞を見せます。
ギリシャでのワイン造りが再び盛んになり始めたのは、1980年代から。
1981年にEUに加入したことにより、EUのワイン法がギリシャに導入され、ワイン造りへの投資が拡大するとともに技術が大きく向上し、ギリシャ出身の若き醸造家たちが故郷でのワイン造りに取り組むようになっていきました。
独特なテロワールと多彩な固有品種から生まれる個性豊かなギリシャワインは、世界からも注目を集め始めています。
葡萄にとって過酷な気候風土と様々な固有品種が生む、ギリシャワインの個性豊かな味わい
ギリシャ共和国はほぼ全域が地中海性気候で、やや温暖な冬季と非常に気温の高い夏季にはっきりと分かれています。
夏の乾燥と高温、また強風のある環境は、葡萄栽培にとっては厳しいものですが、中央ギリシャ地方を中心に、クレタ島やサントリーニ島などエーゲ海の島々や各地に産地が存在しており、海に面した地域や山岳地域など、地域ごとの特色も豊かです。
中でも、サントリーニ島でのワイン造りの大きな特徴には、強烈な日差しや乾燥、強い突風という環境に適応した「クールーラ」という株の仕立て方があります。
葡萄は一般的には生垣のような形状で栽培されますが、クールーラは、葡萄の蔓を鳥の巣のようにぐるりと巻いて、地面に這うような状態にします。
この地域だけで行われている、古代からの知恵を受け継ぐ栽培法です。
また、古代からワインに用いられてきた葡萄品種を含め、様々な固有品種が用いられているのも、ギリシャワインの特徴のひとつ。
現代のギリシャワインに使用されている品種だけでも40種類以上があり、非常にバラエティ豊かで個性的な数々のワインが生み出されています。
前述した、松脂の風味をつけた「レッツィーナ」のように、醸造法に伝統と個性を持ったワインを含め、多彩な地域や固有品種から生まれる様々なワインを楽しむことができるのも、ギリシャワインの特徴と言えるでしょう。
ギリシャの注目ワイナリー「ドロファキス・ワイナリー」
ギリシャの注目の生産者のひとつ、「Doulofakis Winery(ドロファキス・ワイナリー)」をご紹介します。
クレタ島にて1930年にディミトリス・ドロファキス氏が設立したドロファキス・ワイナリーは、ダフネス村にて葡萄園を管理する、クレタ島のワイン製造の先駆者とも言える存在。
3代目に当たる現オーナーのニコス・ドロファキス氏は、イタリアはピエモンテ州アルバのワインスクールでワイン醸造の資格を取得した後、創立者である祖父の代から引き継いだ伝統を守りつつ、最新技術も積極的に導入し、高品質なワインを生産している造り手です。
2013年からはIRISBIO機構の指導を受けつつ、自社畑にオーガニック手法を適用。
ドロファキス・ワイナリーの畑では、ヴィディアーノ種やリアチコ種などの固有品種のほか、カベルネ・ソーヴィニヨン種などの国際品種も栽培しています。
除草剤や殺虫剤は使わずに天然のものを活用し、刈り取った草や通常は廃棄する葡萄の茎を堆肥としてリサイクルするほか、点滴灌漑で水を大切に使うなど、サスティナブルな方法を取り入れています。
ニコス氏は、「ワイン造りへの信念を一言で表現するのは難しいですが、あえて言うなら『差別化』でしょうか。私たちのワインは、独特なテロワールで栽培された独特な葡萄品種を使って造られているので個性的です」とドロファキス・ワイナリーのワイン造りに関して語ります。
また、近年では、古代ギリシャの伝統に立ち返り、アンフォラを用いた醸造も試しているとのこと。
その言葉の通り、クレタ島の固有品種の開発と推進に注力しており、生産されるワインに固有品種を用いつつ、高品質でリーズナブルなワインを生産しています。
ドロファキス・ワイナリーより日本のお客様へ
ギリシャワインは、世界で最も高品質で贅沢な葡萄園とテロワールから造られたワインを探し、味わいたいと願っている全ての方々にとって、試す価値のあるワインです。
ドロファキスのワインは、飲むたびにより特徴的で個性的で優れた品質を楽しんでいただけることを保証します。
ダフニオスシリーズ
エノトリアシリーズ
ドロファキス・ワイナリーのワインを取り扱っている株式会社ファーストインターナショナルが国内への輸入を始めたのは、2010年代のことだそうです。
クレタ島のオリーブオイルの取り扱いをきっかけにクレタ島内のワインの紹介を受け、その際に出会った複数のワイナリーのワインの中でも、日本人の好みに合うワインとして選ばれたのがドロファキス・ワイナリー。
地球に優しいオーガニック栽培で育てた、ギリシャ固有品種の個性的かつ高品質なワインを、リーズナブルに楽しんでみてはいかがでしょうか。
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[提供・協力] 株式会社ファーストインターナショナル
https://firstintl.co.jp/products_wine.html
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