初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
ミネラル感
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塩味や火打石のにおいなどの風味を表現する言葉
ワインの風味を表す表現のひとつで、主に、火打石や鉄のにおい、塩味やほのかな苦みなどを指していることが一般的です。
「ミネラル感」のほかに、「ミネラリー」といった表現もよく見られます。
白ワインに使われることが多い表現ですが、赤ワインで鉄のにおいを感じた時などにも使われることがあります。
【初心者でもすぐわかる】無機質(ミネラル)を連想する風味を指す傾向があるけど実ははっきりした定義がない表現
ミネラルウォーターを飲むと、不思議な風味が感じられることがありませんか?
種類にもよりますが、カルシウムやマグネシウムが豊富であるほど、水道水にはない味わいがしばしば感じられます。
微妙な塩味や、どことなく石のにおいを連想する香り……こうした風味を指して、「ミネラル感」と呼ばれていることが一般的です。
しかし、実は、ワインにおいてはミネラル感という表現は、明確な定義がされていない言葉。
香りにも味わいにも適用されるという非常に微妙なニュアンスのもので、実際にワイン中のミネラル成分が豊かだという訳ではなく、「ミネラル成分を連想する」という意味に近い表現と言えます。
そのため、人によっても、ミネラル感を指すニュアンスにばらつきがあります。
火打石や硫黄といった香りをミネラル感と表現する人、微妙な苦みを伴ったほんのりした塩味を指して言う人、あるいは口の中を引き締めるような硬さのある感覚(テクスチャー)を指して言う人など、様々な用いられ方をしているというのが現状です。
「ミネラル」という言葉は、栄養素の無機質にあたり、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄といった成分が該当します。
石や金属のにおい、塩味を総合的に表現する言葉に「ミネラル」が使われるのは、無機質の成分からイメージする風味だからかもしれません。
前述で、ワイン中のミネラル成分の味を指すものではないと明記しましたが、かつては土壌の成分が葡萄果実に影響を与えてミネラル成分が豊かになり、ミネラル感のあるワインになると考えられていました。
現代では、ワインの中に含まれる程度のミネラル成分の量では、人間が感じ取れるほどの風味にはならないと科学的に否定されています。
例えば、白ワインに感じられる硫黄のにおいは、発酵の際に酵母が窒素を求めて果汁のアミノ酸を分解することで生まれる香りであると解明されており、土中の硫黄成分は直接の関係がないことがわかっています。
ミネラル感というものを体感したい場合は、冷涼な気候で造られる辛口の白ワインを試すのがオススメです。
特にフランスのシャブリ(ブルコーニュ地方のシャブリ地区で造られるAOCシャブリ)によく表れていますので、何種類か試してみると、わかりやすいと思います。
また、ミネラル感が表れている赤ワインもあります。
白ワインに加えて、こうしたワインも併せて飲み比べると、さらにわかりやすいかもしれません。
鴇 小公子
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