知ってる?ワイン話
【月の港に続く道 第8回】ワインの楽しみを共有しよう「ママ友ワイン友」~つながるワイン~
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『「ビズ・ワイン」革命始まる』著者の今西正典氏による、生涯続くワインライフを楽しむためのスペシャルコラム『月の港に続く道』第8回。
今回は、ワインライフの楽しさの共有について考えます。
ワインは一人で嗜んでも素晴らしいものですが、仲間と感動を分かち合う経験もまたかけがえのないもの。
身近な人、例えばママ友が生涯のワイン友になることもあるかもしれませんね。
「月の港」ボルドーへ続く道を、楽しみながら歩いてみましょう。
第8回 ワインの楽しみを共有できるワイン友を見つけよう~つながるワイン~
スキルアップと同時に仲間と楽しみを共有できるワイン会
レストランでワインをオーダーする時は、ソムリエに任せておけば間違いありません。
料理とマッチングしたワインを楽しめます。
でも、悩みながらでも自分の知識でワインを選択するのもワインの楽しみのひとつでもあります。
たとえ失敗したとしてもその経験はしっかりとしたスキルの土台となっていきます。
そんなワインの楽しみ方に興味のある方には、ワイン会の活用をお勧めします。
私の経験でも、ワインスキルの向上に最も役にたったのはワイン会です。
ワインスクールなどでの勉強は基本的に受け身です。
しかし、ワイン会に参加すると、テーマに従って各自持ち寄るワインを選択したり、ブラインドティスティングしたり、抜栓したりとかなりの役割が課されます。
ある程度決まったメンバーでワイン会を継続的に開催していくことで、グループとしてスキルがあがります。
ワイン会は、ワイン上達の基本的なユニットです。
ワイン会が成熟していくプロセスには一定のパターンがあります。
初心者の頃は、たいてい安旨ワインの開拓がテーマになることが多いです。
その後、ワイン会の目的は、さまざまな国の料理とワインのマリアージュや各国の格付けワインの試飲へと進化して行きます。
このレベルまで来ると、メンバーそれぞれ好みのワインが鮮明になっています。
その後はブドウが育つ畑や生産者、収穫年のヴィンテージ等のこだわりまでも感じるようになります。
最終的には知識がこなれ、カジュアルな生活の場から特別な日のワインまで、どのような条件でも柔軟にワインを使い分けるワインマスターの境地に達していきます。
仲間でワインを楽しめば、それはもうワイン会
ボトルワインの容積は通常750mlです。
グラスにして約6杯とれます。
ワインは日持がしないので、抜栓後は速やかに飲んでしまうことが望まれます。
身近なワイン会を開催する場合は、ボトル単位で試飲していく都合上3~6名のメンバーで楽しむのが効率的です。
例えば、6名で一人一本好きなワインを持ち寄ると、参加者は6種類のグラスワインを比較試飲することができます。
ボトルワインは、物理的にも仲間と飲むのに適した飲料だといえます。
ワイン会でボトルを共有するワイン友は、ワインのご学友であり戦友となります。
そのパートナーが家族であれば言うことありませんが、実際には難しい場合もあります。
ですから、ワイン友を作ることは非常に重要なことです。
ワイン通がボルドーやブルゴーニュのグラン・クリュを入手した際に、夫婦や家族と飲むよりワイン友と飲んだ方が楽しいという話を良く聞かされます。
それは、少し寂しいことかもしれませんが、貴重なワインは価値観を共有できるワイン友と楽しみたいとの思いであることは理解できます。
現在、ワイン会は乱立気味です。
かつての異業種交流会も、今や多くがワイン会に名称を変えています。
婚活や出会い系、SNSのオフ会、飲食店のプロモーションイベントなど、ワイン会の形態には枚挙にいとまがありません。
ワイン会の名を借りた集客営業イベントではなく、純粋にワインを楽しむ会であることが望まれます。
親しい仲間と企画する身近なワイン会で十分です。
一本のボトルをシェアした瞬間から、ママ友が生涯のワイン友に変わるかもしれません。
ワインボトルに人が集い、シェアする仲間の心の距離間までも縮めてゆくワインの特性は、ワインが愛される大きな要因の一つと言えるでしょう。
今日もワインに関するよもやま話をしながら、月の港に続く道を歩むことにしましょう。
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MBA経営学修士でありアジア各地にて貿易事業を展開するビジネスパーソン。
WSET LEVEL 3 AWARD IN WINES、日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、J.S.Aワイン検定講師の資格を持ち、ワインをビジネスに活用する「ビズ・ワイン」を提唱。
著書に『「ビズ・ワイン」革命始まる』を持つ。