初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
瓶内二次発酵
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ワインを瓶詰めした状態で再度発酵させる、スパークリングワインの醸造手法
瓶内二次発酵とは、スパークリングワインの生産方法のひとつです。
名称が示す通り、一度発酵したワインをボトルの中(瓶内)で再び発酵させる(二次発酵)という醸造方法です。
シャンパンの生産方法としても知られいることから「シャンパーニュ製法」や、伝統的手法を意味する「トラディショナル方式」とも呼ばれています。
瓶内二次発酵によって生まれるスパークリングワインには、風味に旨味や複雑さがあり、きめ細やかな泡立ちという特徴があります。
【初心者でもすぐわかる】瓶の中で泡を発生させてスパークリングワインに仕立てる手法
「シャンパン」を名乗ることのできるワインの定義にはいくつかの条件がありますが、そのうちのひとつに「瓶内二次発酵で生産されていること」があります。
瓶内二次発酵は、一度醸造したスティル・ワインをワインボトルの中で再び醸造させてスパークリングワインに仕上げるという工程を経るもので、その他のスパークリングワインの生産手法と比較して時間と手間がかかるものでもあります。
コストが必要である一方、泡のきめ細やかさや味わいの深みなど、品質面で優れたスパークリングワインに仕上げられる手法でもあるため、シャンパンの生産者にとどまらず世界各国の数多くのワイン生産者が瓶内二次発酵のスパークリングワインを生産しています。
瓶内二次発酵で発泡する仕組みは、酵母が糖を分解した時に生じる炭酸ガスを利用するというものです。
発酵してワインとなった液体をボトルに詰めただけでは、二次発酵は起こりません。
酵母と糖をワインに加えた状態で瓶に封入することで、二次発酵が発生します。
その際に生じた炭酸ガスが瓶内に留まり、ワインの中に溶け込んでいくことで、発泡ワインとなるという仕組みです。
また、二次発酵を終えた酵母が旨味を含んだ澱となって瓶内に沈みますが、この澱が味わいの深みや複雑さをもたらしてくれる点も、瓶内二次発酵のスパークリングワインの特徴のひとつです。
瓶内二次発酵では、熟成期間も大切な要素になります。
例えば、シャンパンを名乗るためには15ヶ月以上の熟成期間が必要であり、最高峰のシャンパンとして知られるドン・ペリニヨンのラインナップには30年という長期熟成を経たものも存在します。
瓶内二次発酵のワインは、前述のとおり、フランスのシャンパーニュ地方以外の世界各国で生産されています。
有名なものでは、スペインのカヴァやイタリアのフランチャコルタなどが挙げられるでしょう。
もちろん、日本にも、瓶内二次発酵によるスパークリングワインをリリースしているワイナリーが多く存在しています。
シャンパンやカヴァでは、ワインを透明に保つために澱を取り除きますが、日本ワインではあえて澱はそのままに残したにごり仕立てのものも見かけることができます。
▼ 澱引きせず仕上げた瓶内二次発酵の日本ワインの例
日本酒のにごり仕立てに馴染みのある日本ならではの傾向かもしれません。
(余談ですが、近年では瓶内二次発酵を取り入れた日本酒も流行しており、ワインと日本酒がお互いに影響し合う動きが生まれているのも日本のワイン界の面白い点と言えそうです)
瓶内二次発酵のスパークリングワインとその他の手法によるスパークリングワインの両方をリリースしているワイナリーもあります。
両方を飲み比べて、泡の違いなどを体感してみるのもオススメです!
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