初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
パーカーポイント
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ワイン評論家ロバート・パーカー・Jr.氏がワインを100点満点で評価してつけるポイント
「パーカーポイント」は、世界的に有名なワイン評論家ロバート・M・パーカー・Jr.氏(以下ロバート・パーカー・Jr.)がワインを100点満点で採点した点数です。
ワインの流通価格などに大きな影響を及ぼすものとして、ワイン専門家やワイン愛好家から重要視されています。
【初心者でもすぐわかる】超有名ワイン評論家によるワインの点数評価
ワインショップの広告などで「パーカーポイント91点!」などと大きく表示されているのを見かけたことはありませんか?
91点は高いの?そもそも何点満点なんだろう?パーカーって何?などなど、初めて目にした人は不思議に思うキャッチコピーです。
この「パーカーポイント」は、ロバート・パーカー・Jr氏が始めた、100点満点でワインを様々な角度から評価して採点する評価制度です。
「PP」と表記されることもあります。
ロバート・パーカー・Jr.氏は、世界で広く読まれているワイン評価雑誌ワイン・アドヴォケイト誌の創始者であり、中立な立場からの公平なワイン評価を行うためにスポンサーを設けないという雑誌運営を成功させた人物でもあります。
ワイン・アドヴォケイト誌やパーカーポイントが世界的な支持を受けている理由には、その公平性に加えて、ロバート・パーカー・Jr.氏自身の卓越したテイスティング能力と先見性が挙げられます。
ロバート・パーカー・Jr.氏の伝説的なエピソードとしてしばしば語られるのは、1982年のボルドープリムール(ボルドー産の新酒ワインの先物取引)。
まだ熟成中のワインをテイスティングし、どのようなワインに仕上がるかを予測する場でもあるのですが、多くの評論家がワインのポテンシャルを低く評価した中、ロバート・パーカー・Jr.氏は非常に高い評価を発表しました。
その予想は見事に的中し、後に1982年は代表的なグレート・ヴィンテージに数えられるようになりました。
そのほかにも、今では「ブルゴーニュの神様」と呼ばれる偉大な醸造家アンリ・ジャイエ氏を早くから高く評価していたなど、その功績には枚挙にいとまがありません。
パーカーポイントの評価法では、まず評価に値するワインであると認められた時点で、50点数が加点されるところからスタートします。
その次に、「ワインの色と外観(5点)」「アロマとブーケ(15点)」「風味と後味(20点)」「総合評価と熟成ポテンシャル(10点)」が加点されます。
満点は100点ですが、満点を獲得できるワインはめったにありません。
60~69点は「並以下」、70~79点で「並」、80~89点で「かろうじて並以上~優良」、90~95点は「傑出」、96~100点になると「格別」というのが公式の評価定義になっています。
ちなみに、「傑出」とされるものは「格別の複雑さと個性がある、素晴らしいワイン」、「格別」となると「深遠で複雑な個性があり、その品種で作られる古典的なワインに期待されるあらゆる属性を見せている。これほどのワインであれば、特別な努力を払ってでも探し、購入し、飲む価値がある」という意味の評価です。
なお、パーカーポイントは毎年発表され、ワインはヴィンテージごとに評価されています。
ワイン愛好家からプロにまで大きな影響を与えているパーカーポイントですが、ワイン生産者にも影響を与えてしまっていることを危惧する声もあります。
パーカーポイントの評価そのものは中立で公平であるものの、ロバート・パーカー・Jr.氏のワインの好みが反映されていること、そしてパーカーポイント高得点ワインは市場で有利になることから、ロバート・パーカー・Jr.氏の好みに近づけたワイン造りを行うようになってしまうということが懸念されています。
自分でワインを選ぶ際にパーカーポイントを参考にする場合は、まずはパーカーポイント80点以上のワインの中で比較的安価なものを試してみて、自分の好みと合うかどうか確認してみるのがオススメです。
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