初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
アイスワイン
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凍った葡萄果実から造られる極甘口ワイン
アイスワインは、凍った状態の葡萄果実を収穫してそのまま搾り、ワインとして醸造・熟成したものです。
氷結した葡萄からは、非常に糖度が高く濃厚な果汁を得ることができます。
果実内部の水分だけが凍った状態で果実を絞るため、通常の葡萄果汁よりも、葡萄のエキスが濃縮された状態になるからです。
このため、アイスワインは濃厚な極甘口となり、また得られる果汁が通常よりも少なくなることから、希少性の高いものとなっています。
極甘口なワインではありますが、同じく極甘口である貴腐ワインと比較すると、香りや甘味はややさっぱりとして、酸味がしっかりしているのが特徴です。
アイスワインをいただく時は、4~10℃ほどの低温で楽しむのがオススメ。
デザートワインとしてワインのみで楽しむほか、ブルーチーズなどの濃厚なチーズとともに供されることも多いワインです。
【初心者でもすぐわかる】凍らせたワインではなく、氷結した果実で造るワイン
アイスワインと聞いて、凍らせたワインをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
「氷結葡萄」と訳すと、実際のアイスワインに少しイメージが近いでしょうか。
その昔、18世紀のドイツで、寒波によって凍ってしまった葡萄がもったいないとワインに仕立ててみたところ、非常に甘く濃厚なワインが完成したというのがその始まりだそうです。
貴腐ワインと同様に、自然の厳しさと人間の諦めない心が生んだ、奇跡のワインとも言えるものですね。
樹に実ったままで凍った葡萄果実から果汁を得るという製法のため、寒さに強い葡萄品種を冷涼な地域で栽培するという条件でなくては造れません。
代表的な生産地は、ドイツ、オーストリア、アメリカ、カナダなどが挙げられます。
収穫時期も、葡萄が凍るほどの寒さが訪れるまで待たなくてはいけないため、鳥などの動物たちが完熟した果実を食べてしまわないよう対策する必要もあります。
さらに、近年では、温暖化の影響から、葡萄が凍るほど気温が下がらなかった年もあるなど、アイスワインの生産は大変厳しいものとなっているそうです。
アイスワインをこれからも美味しくいただくためにも、ワイン愛好家の一人一人も環境問題に取り組んでいきたいものですね。
ちなみに、アイスワインの製法には、人工的に果実を凍らせる「クリオ・エクストラクション(cryo extraction)」というものもあります。
日本ワインにも、この製法で造られたワインがありますので、味わってみてはいかがでしょうか?
▼ クリオ・エクストラクションで造られた日本ワイン
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