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もう迷わない!プロが実践するワイン選びのコツ

第3回 ワインを「重さ」で選べるようになろう!

[公開日] 2021年01月06日
[最終更新日] 2024年05月27日

第3回 ワインを「重さ」で選べるようになろう!

ワインショップオーナーがワインの選び方を丁寧に解説するスペシャルワインコラム「もう迷わない!プロが実践するワイン選びのコツ」第3回は、「ワインを「重さ」で選べるようになろう!」。
ワインの味わいの重要な要素である「重さ」を鍵にした選び方、そもそも「重さ」とは?など、ワイン初心者はもちろん、ワイン沼にハマりはじめた方にも興味深いテーマを解説します。

執筆は、ワインショップ「VINORAK」を経営する竹村栄司氏。
今回も、プロとしての知識だけでなくご自身の体験に基づいて、わかりやすく解説していただきました。
たった2つの数字を覚えておくだけで、ワイン選びがぐっと簡単に!?
ご自身の好みを探る指標となる数字を、ぜひ覚えていってくださいね!

もう迷わない!プロが実践するワイン選びのコツ -第3回-

ワインを「重さ」で選べるようになろう

「ワインを選ぶときに何を見たらいいの?」とよく聞かれます。

一般的には、ブドウ品種や生産国、あるいは「原産地呼称」などを見ましょうと言われます。

でもこれまでお話しした通り、こういった手がかりを読み解くには知識が必要です。

実は、知識がなくても分かる、そして品種や生産国よりももっと大事な見るべきポイントが他にあるのです。

それがアルコール度数です。

「え!?アルコール度数なんて気にしたことないよ!」

「ワインのアルコール度数ってどれも同じでしょう?」

と思われる方が多いと思います。

アルコール度数がなぜ大事なのでしょうか。

実はワインに詳しくなるほどに見落としがちな、このアルコール度数。

今回はアルコール度数、そしてワインの「重さ」からワインを選ぶ方法をお話ししましょう。

ワインの味わいの大きな要素である「重さ」を決定している成分とは?

ワインは100%ブドウ由来のお酒です。そしてその主成分は水です。

ワインの8割から9割は水で構成されていて、残りのほとんど(10~15%程度)がアルコールです。

そのワインの色が白だろうが赤だろうが、ブドウ品種がシャルドネだろうがメルローだろうが、そして1000円のワインも10万円のワインも、ほとんど同じ構成です。

ワインの香りや風味といった個性に影響を与えるタンニンやフェノール類、有機酸、その他の化合物が占める割合はたった1%程度です。

たった1%の成分がワインをこれほどまでに多様で、奥の深い飲み物にしている事実も驚くべきことですが、ワインの味わいの基本的な部分をアルコールが担っていることもまた事実です。

ワインに詳しくなるほど、私たちはアルコール以外の要素、例えば酸味や甘味、タンニン、苦味といった要素に注目するようになります。そういった微妙な違いが分かるようになってくると、次第にワインの味の土台であるアルコールの味が気にならなくなるのです。

初めてワインを飲んだときのことを思い出してみてください。

きっとあなたは、それまで感じたことのなかったアルコールの「熱さ」を口の中に感じていたと思います。
ビールのアルコール度数はせいぜい6%程度、それに比べて一般的なワインは13%前後はあります。
アルコールの味しかしなかった、という方も多いのではないでしょうか。
でも、ワインを飲み慣れてくると、アルコールの味が気にならなくなりますよね。

それはいわば、惣菜パンの「パン」、あるいはハンバーガーの「バンズ」、ショートケーキの「スポンジ」といっていいでしょう。

私たちは惣菜パンやハンバーガーの具材ばかり議論しがちですが、実はそれを受け止めるパンの存在(あるいは質)こそが大事なのだ、ということです。

アルコール度数が1%違えば、その味わいも大きく変わります。
「1%のちがい」を馬鹿にできないのがワインの世界だと言ってもいいでしょう。
だからワインを選ぶときにアルコール度数が「読める」ようになると、まだ飲んだことのないそのワインの味を、おおよそ予想することができるようになるのです。

アルコール度数の変化は、味わいにどう影響する?

ではアルコール度数が違うと、何が変わるのでしょうか。

アルコールがワインの味におよぼす影響はさまざまですが、最も大きな影響は、ワインの「重さ」を決定づけることです。
アルコールが高いほどワインは重くなり、アルコールが低いほどワインは軽くなります。

「ワインが重いってどういうこと?ボトルが重いってこと?」

……ではありません。

むしろアルコールのほうが水よりも軽いので、厳密にはアルコール度数が高いほど「重量」は軽くなります。

そうではなく、「ワインが重い」とは、飲んだ時の飲みごたえが強く、よりボリューム感を感じる味わいになる、という意味です。

これは飲み比べてみると一目瞭然です。
例えばアルコール度数が11%の赤ワインと14%の赤ワインを比べてみましょう。
11%の赤ワインのほうは、とても飲みやすく、おそらく酸味もきりっとしていて、フレッシュな味わいになっていると思います。
たいして14%の赤ワインはどっしりとしたコク、重厚感があり、飲み込んだ後も口の中にワインの甘さと、お酒の熱さをはっきりと感じます。

ちなみにワインの重さは甘味や粘り気をもつグリセロールや、エキス分などにも左右されますが、アルコールに比べるとその影響力は微々たるものです。

ですから、基本的な方程式として「アルコール度数とワインの重さは比例する」と考えて間違い無いでしょう。

同じ甘口でも「重さ」で感じ方が変わる!?味わいの不思議

ワインの重さがいかに大事か、ということを痛感する出来事が最近ありました。

最近ワインを飲むようになった、という友人と自宅で食事を楽しんでいたときのことです。
たまたま仕事で使った余りのワインがあったので飲んでもらうと、すごく気に入ってくれました。甘くて、ベリーの風味がいっぱいで、とっても美味しい!と喜んでくれました。

それはフランス南東部でつくられる伝統的な甘口ワインで、「ヴァン・ドゥー・ナチュレル」というジャンルのワインです。これはブドウ果汁が醗酵してワインになろうとしている途中で、アルコール度数96%ほどのブドウ由来のスピリッツを加えることで醗酵を強制的に止めて、ブドウ果汁の甘味を残した甘口ワインです。一般的な甘口ワインのアルコール度数は6%や9%と低いのですが、このヴァン・ドゥー・ナチュレルというワインは途中でスピリッツを加えるため、アルコール度数は15%前後と非常に高くなります。

そして後日、「この間の甘口ワインが美味しかったから、似たようなワインをおすすめしてほしい」とリクエストをもらいました。ところが手元にヴァン・ドゥー・ナチュレルがなかったので(生産量も多くないのであまり流通していないのです)、じゃあこっちを試してみてよと、ドイツの甘口ワインをおすすめしました。そのワインも、黒ブドウからできたベリーの風味と甘味がしっかりとある甘口ワインでしたが、アルコール度数は8%程度でした。

そしてその友人に試してもらうと、おや?と首を傾げました。

「うーん、甘くて美味しいとは思うんだけど……この間のワインのようなコクがないし、あまり好みではないかな」

と言われてしまいました。そこで私はハッ、と気づくのです。

私はその友人が、甘口ワインを気に入ってくれた、と安易に考えていました。
でもその友人は、そのワインの甘さと同時に、ヴァン・ドゥー・ナチュレル特有のしっかりとしたコク、重厚感に美味しさを見出していたのです。

よく、ワインを飲み慣れていない方に甘口ワインをおすすめすることがあります。

それは「ワインの味が甘いから」という理由もありますが、それと同じくらい「アルコール度数が低いから」という理由もあります。でも今回のケースでは逆だったんですね。友人のほうが一枚上手でした(笑)。

このように、ワインの甘味や酸味、香りや風味よりも、ワインの重さのほうが味わいに大きな影響を及ぼしているのです。

ワインの「重さ」を表現するキーワード「ボディ」

では実際にワインショップに行ったときに、どう選んだら良いのでしょうか。

重さのことをワインの世界では「ボディ」と言います。ワインを普段から飲んでる方は、おそらくどこかでみたことがあるかと思います。
軽いワインをライトボディ、重いワインをフルボディ、その中間をミディアムボディと表現します。
大手輸入会社や国産ワインであればまず間違いなく記載がありますので、これを手がかりにワインを選ぶのも良いでしょう。

ただし注意が必要です。
残念ながら、日本のワイン業界では「ボディ」という言葉の定義そのものが非常に曖昧です。国際的にはきちんと定義されているのですが、「ボディには定義がない」と断言しているメーカーもあるほどです。

※The Oxford Companion to Wineによれば、ボディとは「ワインの密度、粘性に由来する味わいの豊かさ、重さの感覚」と定義されています。

ですからこの記事を読んでくださった方には、ぜひアルコール度数からボディを推定する方法を実践していただきたいと思います。

その指標がこちら

アルコール度数11%未満はライトボディ
アルコール度数14%以上はフルボディ
その間はミディアムボディ

覚えるべき数字はたった二つ、11と14ですね。実に簡単です。

とはいえ、これはあくまでイギリスのワイン教育機関であるWSET(Wine & Spirits Education Trust)のテイスティングメソッドに基づいたものです。
実際にみなさんの舌がどれくらいのアルコール度数で「重い」「軽い」と感じるかは人それぞれ個人差がありますので、まずはこの基準で選んでみて、「ん?11%でもちょっと重たいな」と思う方はより低めのアルコール度数のワインを試していただく…というように微調整してください。

飲みやすいワインが好き、口の中をさっぱりさせたい。
そういう方はアルコール低めのワインを選んでみてください。

コクがあって、しっかりした飲みごたえのあるワインが好き。
そういう方はアルコール高めのワインを選んでみてください。

「重さ」を鍵にワインを選ぶべき理由

最後に、なぜ産地や品種を学ぶよりも、アルコール度数のほうが信用できるかをお話ししておきましょう。

産地や品種を学ぶのは、知的好奇心を大いに満たしてくれて、とても楽しいものです。

しかし実際にワインそのものと向き合うと、「この産地はこういう味」という教科書通りのスタイルと異なる場合が多くあります。

例えばボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン。

一般的なワイン本には、「重厚で、タンニンがしっかりとしていて、コクがあり、カシスの香りがうんぬん……」などと書かれています。

ですがこれは、あくまでボルドーを代表するどこか有名ワイナリーの典型的な例であって、すべてのワインがこの味にあてはまっているわけではないのです。

10年も20年も寝かせることを前提に、タンニン分をしっかりと抽出した重厚な造りをする人もいれば、できてすぐのフレッシュな味わいを楽しんで欲しいとタンニンもアルコールも低めのライトな造りをする人もいます。同じカベルネ・ソーヴィニヨンから、イチゴのようなアロマのさっぱりとしたロゼワインだって造れるんですよ。

そうです、造り手の数だけワインの味があるのです。

だから産地や品種というのは、スタートラインでしかない。

それに比べてアルコール度数は、ワインという「結果」に対する指標です。

ぼくらが選ぶのは結果のほうです。であれば、どちらが信用できるでしょうか?

もちろん、もし仮にアルコール以外の要素、甘味や酸味、タンニン分といったものも全て数値化できたらもっと分かりやすいかもしれません。でも、そこまでされたらちょっと萎えてしまいますよね(笑)。

さて、実は今回の「重さ」の話には重要なポイントが抜けています。

それは「今、どちらを選ぶべきかわからない」という疑問への回答です。

そうですね。
重いのが好き、軽いのが好き、という人は、もう好みがわかっているから迷う必要はありません。
でもほとんどの人は「重いのも軽いのも好きなんだけど、今日のごはんと一緒に飲むワインをどっちにしたらいいの??」と迷っているのではないでしょうか。

というわけで次回は、ワインの重さと料理のお話しをしたいと思います。

ワインの重さを選ぶ基準は、一緒に楽しむ料理にあり。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました、次回もお楽しみに。

【著者紹介】 竹村栄司

株式会社ワインクレディブル 代表取締役。
JSA認定ソムリエ、WSET Level3 Award in Wine & Sakeの資格を所有。
ワイン専門商社にてチーフバイヤーとしてフランスワイン輸入に携わってきた経験を活かし、オンラインワインショップ「VINORAK」、ワイングラス「Sydonios」販売代理店を運営。
InstagramやYoutube、noteにてワインに関する様々なトピックを解説している。

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【第3類医薬品】ヘパリーゼプラスII 180錠

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