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もう迷わない!プロが実践するワイン選びのコツ

第4回 料理にワインを合わせる3つのポイント

[公開日] 2021年01月22日
[最終更新日] 2021年04月28日

第4回 料理にワインを合わせる3つのポイント
ワインショップオーナーがワインの選び方を丁寧に解説するスペシャルワインコラム「もう迷わない!プロが実践するワイン選びのコツ」第4回は、「料理にワインを合わせる3つのポイント」。
レストランでのお食事ではなく、家庭内でのお食事とワインのマッチングがテーマです。
「今日の夕食に合わせるワインをサッと選べるようになりたい!」といった、毎日の暮らしの中にあるワイン選びの悩みに迫ります。

執筆は、ワインショップ「VINORAK」を経営する竹村栄司氏。
日常的に家庭料理とワインの組み合わせを楽しんでいる竹村氏が、自宅での食事に合わせるワインの選び方を解説してくださいます。
家庭料理とワインのマッチングも、実はとってもルールはシンプル。
いくつかのポイントをおさえるだけで、お料理に合うワインが選べるようになります!

そのポイントは、まず「料理とワインの重さを合わせる」。
次に、「料理の色とワインの色を合わせる」。
最後の決め手となるのは、なんと甘味。
「料理の甘味とワインの甘味を合わせる」。
3つのポイント、それぞれの理由や判断基準を解説していただきましょう!

もう迷わない!プロが実践するワイン選びのコツ -第4回-

料理にワインを合わせる3つのポイント

今回は「料理からワインを選ぼう」というお話です。

料理との相性、というと昨今よく耳にする「ペアリング」が思い浮かぶ方もいると思います。
ですが、ペアリングはレストランのプロの仕事。
このコラムではそんな大層なものではなく、おうちで楽しむときのコツ、程度に考えてください。

ポイントは3つあります。
重さ、色、そして甘さです。

順番にお話していきましょう。

料理とワインの「重さ」を合わせよう

前回の「ワインの重さ」の話の最後に、一つみなさんに疑問を投げかけていました。
それは、「今日、重たいワインと軽いワイン、どちらにしたらいいの?」です。

その答えは、一緒に食べる料理にあります。
ワインバーのようにワイン単体で楽しむこともありますが、ご自宅の場合、たいていは料理と一緒に楽しみますよね。
いわば料理とワインはパートナー。そのパートナーの相性が、ワイン選びのポイントになるということですね。

とはいえ、必ずしも料理とワインの相性を考える必要はない、と私は思います。
「この料理に合うワインはどれかな?」と考えながらワインを選ぶ、そのこと自体を楽しんでもらえたらそれが一番です。実際に合うかどうかは、結局「やってみないと分からない」のです。
気軽な気持ちで読み進めていただけたら幸いです。

さて、ワインの重さはどのようにして決めれば良いか。

答えは、ワインの重さを料理の重さに合わせる、です。
つまり、料理が重たいときはワインも重たいものを、料理が軽い時は、ワインも軽いものを選ぶということ。
重たい料理というのは、脂肪分を多く含んでいるもの、あるいは濃厚な味わいだったり、食べ応えのあるものを指します。例えばバターや生クリームを使った料理、肉料理、揚げ物などですね。
軽い料理は反対にあっさりしたもの。和食全般、油脂をあまり使っていないもの、野菜料理、シンプルな魚料理などです。

重さを合わせることで、料理とワインそれぞれの美味しさ、個性を十分に生かすことができます。
どちらかが重たすぎると、もう一方の良さが隠れてしまうことがあります。

例えば、春野菜の天ぷらと一緒に、ブラックチェリーやチョコレートを思わせる濃厚な果実味と豊富なタンニンがウリの赤ワインをあわせたら、どうでしょう。想像してみてください。せっかくの繊細な味わい、そして心地よい苦味が持ち味の春野菜の美味しさが、ワインの味でかき消えてしまいそうですね。

「赤ワインは重くて苦手……」という方の食卓を見てみると、純和風のあっさり料理だった、なんていうことは多々あります。これは何かというと、重さのミスマッチが起きてるのです。あっさりした食事がお好きな方は、あっさりした軽めのワインを選ぶと良いでしょう。

前回お話した通り、重さはワインのどの要素よりも大事だと言っても過言ではありません。

まず、料理とワインの重さを合わせること。
これが第一歩だと考えてください。

料理とワインの「色」を合わせよう

次に色です。

ワイン本を読むと「料理とワインの色を合わせよう」と書かれていることが多いですね。
このとても分かりやすく覚えやすい基準は、科学的根拠に乏しいものの、経験的に意外と正しいのが面白いですよね。

例えば、牛肉や鹿肉、あるいはマグロのような赤身の魚には赤ワインを。

白身の鶏肉、魚介類、野菜全般には白ワインを。

生ハムやスモークサーモンにはロゼワインを、といった具合です。

もちろん全ての料理と色が合うわけではありません。

上で書いたように、重さのミスマッチが起きる組み合わせも多々あります。

例えばトマトを使った料理。
水煮のトマトを使った、コクのあるトマトソースのパスタであれば軽めの赤ワインとよく合います。
ですが生のトマトを使ったサラダであれば、白ワインのほうが相性が良いでしょう。

いかにも赤ワインに合いそうな牛の赤身肉でも、薄切りにしてポン酢などでさっぱりと頂くのであれば、白ワインやロゼワインのほうが相性が良いですね。

私の持論は、色よりも重さです。
色でだいたいの予想はできますが、やはり重さのほうが優先されるのです。

まず重さを合わせる。
さらに色を合わせることで、ぐっと相性は良くなります。

料理とワインの「甘さ」を合わせよう

最後に甘さです。
特に日本の食卓では、「甘味」が重要な鍵を握っています。
それはなぜでしょうか。

ワインに飲み慣れてくると、多くの方が「食事には甘口ワインより辛口ワインが合う」と考えるようになります。ところが、必ずしもそうではないのです。

これは「甘口ワイン=初心者向け」と考えている全ての方に知っておいていただきたいことです。
もしあなたが、「甘口ワインが好きなんだけど、それを言ったらバカにされるのでは……」と心のどこかで思っていたなら、断言します、そんなこと一切気にしなくて大丈夫です。甘口ワイン、万歳!
むしろ甘口ワインをうまく食事に取り入れることができたら、かなりの腕前だと尊敬されることでしょう。
本当にワインに詳しい人ほど、甘口ワインの奥深さを知っているからです。

では、料理とワインの相性において、甘さはどういう役割を果たすのでしょうか。
そして甘口ワインをどのように食事で楽しめばいいのでしょうか。

日本の家庭料理は、実は甘味が強い

料理とワイン、という話をするときに、意外とみなさん忘れていることがあります。
それは日本の家庭料理が、西洋料理に比べてずっと「甘い」ということです。
肉じゃが、豚の生姜焼き、すき焼き、ブリの照り焼き、鰆の西京焼き……
どれもみりんや砂糖を使った、甘味を含んだお料理ですよね。

では、食べ物が甘いと、何が変わるのでしょうか。

実は食べ物の甘味には、ワインの中の甘さ、重さ、そして果実風味を減退させる効果があります。
さらに、苦味や酸味、アルコールの熱さといったネガティブな要素を増幅させる効果もあるのです。
端的に言えば、食べ物が甘いと、ワインが美味しくなくなるのです。

「え?!まさか!」と思われる方も多いのではないでしょうか。
ですが、大なり小なり、まぎれもない事実です。

例えば、ストロベリー味のチョコレートがあるとします。

甘さを無視して風味だけで合いそうなワインを選ぶと、ベリーやチョコの風味を感じる南ローヌのグルナッシュなどが思い浮かびます。ワインの濃厚な果実味は甘く感じられるので、いかにもスイーツと合いそうです。
しかしいざ実食すると、ワインが甘いだなんてとんでもない!
チョコレートの甘さが圧倒的に勝り、ワインの果実味は吹っ飛んでしまいます。そして代わりに口が乾いたような感覚と、タンニンのギシギシとした感触が強く感じられてしまうのです。

これが、食べ物の甘味がもたらす影響です。

食べ物の甘味は、実はワインの天敵だったのですね。

ではどうすれば良いかというと、実にシンプル。
その食べ物と同じくらい甘い、あるいはより甘いワインを選べば良い、それだけです。

上に挙げたような家庭料理であれば、やや甘口くらいのワインがちょうど良いです。
専門用語になってしまいますが、フランスワインならドゥミ・セック(英語のセミ・ドライ、つまり半辛口を意味します)、イタリアワインならセミ・セッコ、ドイツワインならハルプトロッケンと表記されているワインが当てはまります。
この半辛口ワインがあれば、甘味を含んだ日本の家庭料理の味を楽しみながらも、ワインの果実味やまろやかさを損なわず、どちらも楽しむことができます。

ただ、辛口ワインがダメ!と言いたいわけではありません。

むしろ私も自宅では、辛口ワインを飲む機会のほうが圧倒的に多いです。
甘味のある料理に、辛口ワインでも十分に楽しめます。

ですが、よくよく味の変化を見てみると、わずかながらワインの果実風味が落ち、赤ワインであればよりドライな印象になることが分かります。

だから少なくとも、甘いワインが辛口ワインに比べて劣らないことは、お分かりいただけることと思います。

デザートワインにとどまらない、様々な料理や食べ物と相性の良い甘いワイン

さらに、甘いワインは意外な料理と好相性を見せます。

たとえばポテトチップスやブルーチーズなど、塩気の強い食べ物とよく合います。食事の前のちょっとしたおつまみや、食後のチーズやおかきと一緒に、という楽しみ方もありですね。

唐辛子系の辛い料理もイケちゃいます。一般的にワインと唐辛子は水と油の関係で、全くと言っていいほど合いません。果実味は消え、アルコールの熱が余計に強く感じられます。ですがワインに甘味があると、甘さがまろやかに辛味を包み込み、アルコールによる焼けるような感覚もありません。東南アジアの料理は、今や日本の食卓でもおなじみになってきましたので、こうした選択肢があると幅が広がりますね。

また海老や蟹などの甲殻類とも相性が良いようです。ちょっと贅沢ですが、フランス・ソーテルヌ地方の貴腐ワインとオマール海老、あるいはエビチリとの組み合わせは絶品です。そんなわけで、甘口ワインと中華料理との相性も非常に良いのです。

いかがでしょう、ここまでくると、もはや「甘口ワイン=初心者向け」という図式は完全に間違いであることが分かります。甘口ワインは、辛口ワインにはない味の広がりをもたらしてくれます。

ただ、手放しで喜べない面もあります。それは、甘口ワインを飲んだすぐあとに辛口ワインを飲むと、果実味が弱く感じられることです。なので、食事の途中に甘口ワインを「はさむ」と、そのあとのワインが美味しく感じられない可能性も出てきます。貴腐ワインやアイスワインといった甘味の強い「極甘口ワイン」の場合はなおさらです。これは少し、注意が必要な点ですね。

まとめますと、
●料理に甘味があるとき、ワインも同じくらい甘味があると好相性
●甘口ワインは、塩気の強いもの、辛いもの、甲殻類と相性抜群!
●甘いワインを飲んだ直後に辛口ワインを飲むと美味しく感じないので注意

これだけおさえておけば、おうちごはんとワインの楽しみ方がぐっと広がります。

一番大切なことは、「セオリーにこだわりすぎないこと」

今回も長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。

料理にワインをあわせるポイントは3つでした。
重さ、色、そして甘さですね。
これらを踏まえて料理に合うワインを考えてあげると、あなたのワイン選びもさらに奥深いものになることと思います。

ぜひ、試してみてください^^

さて、最後にひとつだけ。

料理とワインの相性はあくまで主観的なもので、人によって好みは様々です。
ここで挙げたコツも、セオリーの一つにすぎません。
セオリーにこだわりすぎて、せっかくの食事が楽しめなかったら本末転倒です。
好きな料理と好きなワインを、気軽に楽しむのが一番です。
そして、もし「あれ?このワイン、こんな味だったっけ?」と首を傾げることがあったとき、今回のセオリーを思い出していただけたら、この記事を書いた甲斐があったというものです。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。
それではまた次回!

【著者紹介】 竹村栄司

株式会社ワインクレディブル 代表取締役。
JSA認定ソムリエ、WSET Level3 Award in Wine & Sakeの資格を所有。
ワイン専門商社にてチーフバイヤーとしてフランスワイン輸入に携わってきた経験を活かし、オンラインワインショップ「VINORAK」、ワイングラス「Sydonios」販売代理店を運営。
InstagramやYoutube、noteにてワインに関する様々なトピックを解説している。


永遠なれ 魯山人 (別冊太陽 日本のこころ)

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この記事を書いたメンバー

葡萄院駄目代

ワインを飲むと大変なことになるので避けて生きてきたが、最近ワイン下戸を克服中。 たまに「やっぱダメだった」と泣きながらトイレにこもる羽目に陥っている。 好きなワインのタイプ 濃いめ・どっしり系の赤ワイン。 キャンティのような飲みごたえがありつつも重すぎないタイプも好き。 白ならドイツワイン系。 スパークリングワインなら、爽やかな甘味のあるタイプが好き。

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