初心者でも3分でわかる!ワイン用語集
アペラシオン
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フランスにおけるワイン産地を表す単語
フランスの法律で定められた、ワイン産地の区分を示すものです。
ワインの品質には土壌や気候などが深く関わることから、ワインは古くから産地が重要視されてきました。
人気が高いワイン産地は偽装品が出回ることもあったため、フランスでは「原産地統制呼称」としてワインの産地や製法などとワインをはっきりと関連づけ、条件を満たしたもののみが地域のワインを名乗れるように法律で定めました。
これによって、ボルドー産ワイン、ボルドー内のサン=テミリオン産ワイン、など細かくワイン産地が分類されます。
地域や村といった産地の分類がアペラシオンと呼ばれ、各地で生産されるワインは、アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ(A.O.C.、原産地統制呼称)の認定を受けて市場に流通します。
【初心者でもすぐわかる】お米の「新潟産」「魚沼産」のような、フランスワインの産地の区分を指す言葉
歴史の長いフランスワインは、ワインの個性には醸造法や産地の気候風土が深く関わっていることが古くから知られていました。
同じ品種の葡萄でも、気温の高い地域と低い地域では、果実の味わいに違いが現れます。
このため、味わいの傾向を予想する鍵となる産地は、非常に重要な情報とされてきました。
ワインを含め、農作物や食品で粗悪品や産地偽装品の流通を防ぐ目的で定められたのが、フランスの原産地統制呼称制度、アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ(Appellation d’Origine Controlee)です。
国立原産地名称研究所が、ワインなどの酒類、チーズ、野菜、果物、鴨などの家禽といった農作物の産地や品質を認定し、市場に偽装品が出回らないようガードするという制度です。
ワインの場合は、原料となる葡萄の種類や栽培地、醸造などの生産方法、アルコール分など様々な項目が地域ごとに定められており、すべてクリアしたワインだけが、その産地の伝統的な味わいを守ったワインとして、A.O.C.として産地名を明記することが許されます。
品質には問題がないけれど原産地呼称としての条件を満たさないワインを販売することも可能ではありますが、その場合は「フランス産」といった表記になり、A.O.C.として産地を明記することができません。
アペラシオンは、地域によっては細分化されています。
例えばボルドー地方では、地区名とさらに村名まで細分化されていて、60ものA.O.C.が存在しています。
ボルドー地方という大きなアペラシオンの中に、メドックやグラーヴといった地区名のアペラシオンがいくつも存在し、さらにそれぞれの地区の中にポイヤックやマルゴーといった村名のアペラシオンが存在するという構成です。
細分化が小さいほど格が高いとされ、ボルドーの場合は村名のA.O.C.ワインが一番高い格付けとして扱われます。
マルゴー村のワインとして市場に出すには、A.O.C.マルゴーの基準を満たす必要がありますが、そうすると赤ワインのみが認められているため、ロゼや白ワインはA.O.C.マルゴーとしては出荷できません。
格を下げて、規定の範囲が広いA.O.C.ボルドーの認定にするといった形になります。
一方、ブルゴーニュ地方では、地区名のアペラシオンがなく、畑名のアペラシオンが存在します。
世界に名だたる高級ワインのロマネ・コンティは、最上位のアペラシオンである特級(グラン・クリュ)のA.O.C.名です。
日本人になじみのあるイメージにすると、お米の産地が近いかもしれません。
例えば新潟県はお米の名産地ですが、中でも魚沼産は、品質が高いことで知られていてブランド化しています。
国産、新潟県産、魚沼産と、産地の区域が絞られるにしたがって、人気が高くなります。
フランスワインを選ぶ上で、アペラシオン、またはA.O.C.について知識を持つと、ラベル(エチケット)を見ただけでおおよそのワインのタイプを判断できる機会も増えます。
お気に入りのフランスワインを見つけたら、A.O.C.の表記にも注目してみると良いかもしれませんね!
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